研究課題/領域番号 |
21H00779
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 東京経済大学 |
研究代表者 |
北村 智 東京経済大学, コミュニケーション学部, 教授 (40511960)
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研究分担者 |
森 玲奈 帝京大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (70588087)
片桐 恵子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (80591742)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 12,000千円、間接経費: 3,600千円)
2023年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2022年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 超高齢社会 / ICT利用 / 社会的支援 / 対人ネットワーク / 家族・親族 / 第一次集団 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、(1) 高齢者のパーソナルネットワークとICT利用の関係について因果推論を行い、高齢者内のGrey Digital Divideを実証的に検討し、(2) Grey Digital Divideの解消方法についての実践的含意を得ることである。本研究では定性的面接調査と2波の定量的パネル調査を実施することによって、この目的の達成を目指す。
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研究実績の概要 |
2021年度は、まず先行研究の検討および既存調査の再分析、理論的検討を行なった。その上で、(1) 都市部在住の65歳以上の高齢者を対象とする個別インタビュー調査と、(2) 35歳から54歳までを対象に、親世代のスマートフォン利用に対する支援に関するオンライン調査を行なった。 (1)は本研究期間以前から開始していた調査を継続する形で行ない、東京都練馬区と東京都国分寺市の2箇所で調査を実施した。合計で29名のスマートフォン利用者である高齢者を対象に、スマートフォン利用歴、スマートフォンの利用開始のきっかけ、スマートフォンの利用内容、スマートフォン利用にともなう苦労・困難とその解消方法、家族・友人との交流状況などについて非構造化面接法による個別インタビューを行なった。この調査では高齢者のスマートフォン利用に際しての障壁・困難・苦労と、その解消に有効となる社会的支援について検討することを目的としており、調査の結果、高齢者のスマートフォン利用に対して先行研究でも示されていた家族・親族からの支援のみならず、契約関係にある携帯電話ショップ等からの支援が重要な役割を果たしていることが示唆された。 (2)は日本在住で、自分専用のスマートフォンをプライベートで使っており、スマートフォンを使い始めた父または母にスマートフォンの使い方などについて教えたり、アドバイスをしたりしたことのある35歳から54歳の男女を対象として、クラウドソーシングサービスLancersを通じて行なったオンライン調査である。5歳刻みの年齢区分と男女の性区分を組み合わせた8セルに分けて均等割り付けを行なって調査を実施し、合計520名からの回答を収集した。この調査結果の集計・分析は2022年度まで継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度に高齢者を対象とした社会調査の第一波を実施し、翌23年度に第二波を実施するのが本研究の主要部分である。2021年度はこの第一波の調査に向けた準備として、既存調査データの再分析や先行研究の検討、高齢者に対するインタビュー調査、高齢者の子世代に対するオンライン調査を実施することができた。これらの分析は22年度に持ち越した部分もあるが、22年度に実施する予定の調査第一波に関しては問題なく実施できる予定である。コロナ禍による研究計画の大幅な遅れも懸念されていたが、現時点では本研究計画に大きな問題は生じていないと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、本研究の中核となる高齢者を対象とした定量的パネル調査の第一波を実施する予定である。本年度期首時点では第一波調査の実施を夏頃に予定している。また、これまでに行なった既存調査のデータ分析による成果について、学会発表および論文投稿も進めていく予定である。 現在もコロナ禍はまだ過ぎたとは言えない状況であり、社会調査の実施に際して障害となる可能性もある。こうした問題への対処も考慮しながら、研究計画を遂行していく。
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