研究課題/領域番号 |
21H00893
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09070:教育工学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
安部 崇重 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (10399842)
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研究分担者 |
渡辺 雅彦 北海道大学, 医学研究院, 教授 (70210945)
七戸 俊明 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (70374353)
篠原 信雄 北海道大学, 医学研究院, 教授 (90250422)
近野 敦 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (90250688)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | 腹腔鏡手術 / シミュレーショントレーニング / カダバートレーニング / 鉗子動態 |
研究開始時の研究の概要 |
1.ブタ臓器を用いた腹腔鏡手術手技トレーニング(ウェットラボ)において、左右の鉗子の協調性、空間認知能、効率性、組織の愛護的操作、自動性等を定量化し、オンサイトでフィードバック出来るシステムを確立する。教育効果を評価する。 2.カダバー(ご遺体)を用いた腹腔鏡下腎摘除術シミュレーショントレーニングを開始し、より複雑な手術手技で、熟練医の鉗子動態の特徴を抽出する。また実際の手術での計測のためのカメラ設置位置/赤外線マーカーのベース部分の滅菌方法・小型化等に関する実験を行う。 3.実際の腹腔鏡手術で鉗子動態の測定を開始し、止血操作も含めた熟練医の技術の言語化・見える化に挑戦する。
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研究実績の概要 |
1.定量的なフィードバックが得られる腹腔鏡手術ウェットラボトレーニングの確立 これまでに鉗子動態測定値を用いた腹腔鏡手術の技量解析に関して、①鉗子動態測定値を利用したGOALS自動計測アルゴリズムを開発し、誤差2点程度で推定可能であること(Ebina K, Abe T et al. LangenbecksArch Surg. 2022)、②手術経験数に基づいた上級者(腹腔鏡執刀経験数50件以上)、中級者(10-49件)、初級者(0-9件)の弁別能に関して、約70%の精度でexpertの弁別が可能であることを論文報告した(Ebina K, Abe T et al. Plos One. 2022)。今年度は、これらの結果をオンサイトで学習者にフィードバックするプログラムの開発も終了した。 2.カダバーを用いた腹腔鏡下腎摘除術トレーニングプログラムの開発と鉗子動態の計測・解析 R4年度は新たに、10名の参加者がカダバートレーニングに参加し、鉗子動態の計測を実施した。これまでに44例の腹腔鏡下腎摘除術の鉗子動態計測値を取得済みである。これまでに異常値・欠損値の除外・補完手法の確立が終了した。 3.実臨床での腹腔鏡手術における鉗子動態の測定 R4年度は、実臨床での鉗子動態測定に必要な滅菌対応を想定し、耐熱性の高いポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂での鉗子装着マーカーの試作品を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「定量的なフィードバックが得られる腹腔鏡手術ウェットラボトレーニングの確立」に関しては、これまでに2本の論文を作成し、オンサイトでのフィードバックプログラムの作成も終了し、予定どうりの進捗である。 「カダバーを用いた腹腔鏡下腎摘除術トレーニングプログラムの開発と鉗子動態の計測・解析」に関しても、 44例の腹腔鏡下腎摘除術の鉗子動態計測値を取得済みで、これまでに異常値・欠損値の除外・補完手法の確立が終了した。今年度に解析を終了し、論文投稿が可能であると考えている。 「実臨床での腹腔鏡手術における鉗子動態の測定」はやや遅れているが、滅菌可能な鉗子装着マーカーの完成後に、速やかに実臨床での鉗子動態測定を開始する。 以上、全体では概ね順調と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
1.定量的なフィードバックが得られる腹腔鏡手術ウェットラボトレーニングの確立 R5年度は、外部検証用データの取得と、本装置の教育効果の検証を目指して、医学生も対象としたラーニングカーブデータの取得を行う。また、動態解析結果のフィードバックあり・なしの教育効果の評価目的ランダム化比較試験を開始する。 2.カダバーを用いた腹腔鏡下腎摘除術トレーニングプログラムの開発と鉗子動態の計測・解析 R5年度に、各ご遺体毎の関心領域の設定方法を確立し、上級者の鉗子動態の特徴抽出をすすめる。また新規に10名の参加者の鉗子動態継続を行い、解析に必要な十分なサンプル数を確保する。 3.実臨床での腹腔鏡手術における鉗子動態の測定 滅菌対応可能な鉗子装着マーカーを作成し、実臨床での鉗子動態測定に関するIRB申請を行う。承認後に、腹腔鏡下腎摘除術、腹腔鏡下副腎摘除術、腹腔鏡下ドナー腎摘除術において、鉗子動態計測を開始する。
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