研究課題/領域番号 |
21H00989
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木上 淳 京都大学, 情報学研究科, 教授 (90202035)
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研究分担者 |
白石 大典 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (00647323)
相川 弘明 中部大学, 工学部, 教授 (20137889)
角 大輝 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (40313324)
秋山 茂樹 筑波大学, 数理物質系, 教授 (60212445)
宍倉 光広 京都大学, 理学研究科, 教授 (70192606)
熊谷 隆 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90234509)
梶野 直孝 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (90700352)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | フラクタル / 拡散過程 / 熱核 / ラプラシアン |
研究開始時の研究の概要 |
ユークリッド空間では空間の自然な幾何構造(ユークリッドの距離)から、微分の概念が定義され、微積分学を基盤とした解析学が所与の幾何構造のもとで展開されてきた。一方、フラクタルに代表される複雑な空間では、解析と幾何構造の間の関係は自明ではなくなる。本研究においては、自己相似集合、力学系に表れる不変集合・タイリングなどの複雑な空間において、まず空間のグラフによる離散近似などを用いて拡散過程などの解析的構造の構成し、更にその解析的構造を表現するのに適切な幾何的構造を見出すことを目指す。具体的には、まず、対称性の弱いSiperpinski carpet や Julia 集合などを対象とする。
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研究実績の概要 |
研究代表者木上の本年度に於ける研究実績は主に次の3つである。 (1) 正多角形をベースとする局所対称性を持つ自己相似集合上への拡散過程(local regular Dirichlet form)の構成:前年度の研究で一般のコンパクトな距離空間上に、空間を近似するグラフの列の上の離散的なDirichlet formのスケーリング極限として、local regular Dirichlet formが構成できるための必要十分条件として Knight move 条件を得ていた。本年度は、この条件を満たす具体的な距離空間の族の例として正多角形をベースとした局所対称性を持つ自己相似集合を研究し、とくにその幾何学的な構造を詳しく調べることで、正3角形ベースの場合、また正J角形ベースで自己相似集合が回転対称性を持つ場合には、Knight move 条件が成り立ち、local regular Dirichlet form が構成できることを示した。 (2) Sierpinski gasket 上の Brownian の線分上への trace の研究:Sierpinski gasket から、その外周をなす正三角形の1つの辺を除いたものは、本質的に tree の構造をもち、そのうえの Brownian motion は tree 上の Random walk と見なすことが可能であることを見出し、その応用として Sierpinski gasket 上の Brownian motion に付随する Dirichlet form の線分への trace の特徴づけを行った。 (3) University of Washington の Z.Q. Chen 教授と共同で、距離空間上の jump を持つマルコフ過程の熱核が、空間の一部分において下からの熱核評価を持つための十分条件を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度には距離空間上に local regular Dirichlet form が構成できるための必要十分条件を得た。本年度は自己相似集合についてその幾何学的構造を詳しくしらべることで、その必要十分条件を満たす豊富な(新しい)例を見出すなど、研究目的の達成に向けて研究が進展している。
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今後の研究の推進方策 |
上記のように、研究目的の達成に向けて研究は順調に進展しているので、粛々と研究を推進する。
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