研究課題/領域番号 |
21H01017
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
毛利 真一郎 立命館大学, 理工学部, 准教授 (60516037)
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研究分担者 |
荒木 努 立命館大学, 理工学部, 教授 (20312126)
藤井 高志 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 教授 (60571685)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 12,090千円 (直接経費: 9,300千円、間接経費: 2,790千円)
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キーワード | モアレ超格子 / フォノン物性 / 熱伝導 / グラフェン / 原子層材料 / 原子層半導体 / 遷移金属ダイカルコゲナイド / MoS2 / フォノン / ツイストグラフェン |
研究開始時の研究の概要 |
グラフェンやMoS2などの原子層材料を積層した『ファンデルワールスヘテロ構造』では、ナノスケールのポテンシャル変調構造である『モアレ超格子構造』が現れ、その電子状態を反映したさまざまな特異物性が発現することで大きな注目を集めている。 本研究では、電子線回折による積層角度の決定とフォノン物性計測を同時に行える実験系を構築し、『原子層の積層とツイストによるナノスケールのポテンシャル変調が新しいフォノン物性発現の場となりうるか?』という課題の解決を目指す。具体的には、TEMグリッド上に架橋ツイスト原子層を作製し、基板の影響を排してツイスト角度の変化に依存した光学特性を解明する。
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研究成果の概要 |
顕微ラマン分光を用いて、グラフェンモアレ超格子系の熱伝導度の角度依存性を調べた。架橋ツイスト2層グラフェンでは積層角度が大きいと熱伝導度が低下する傾向にあることが示された。また、グラフェン/h-BNモアレ超格子系では、わずかな積層角度の変化で熱伝導度が大きく変化することが観測された。フォノン物性変調を目指し、モアレ超格子系への金属ガリウムナノ粒子の蒸着を行ったところ、積層角度によってフォノン物性の変化に違いが出ることが分かった。さらに、周期分極反転構造を利用した原子層材料へのリモートキャリアドーピングにおいて、h-BN中間層の厚みの影響を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
原子層材料は次世代の省エネ電子デバイス応用のキーになる材料であり、そのフォノン物性や熱物性の解明は、省エネ性能向上に資する点で社会意義が大きい。本研究で、積層角度によって熱伝導度が変化する様子を実験的に明らかにすることができた点は、基礎科学的観点から大きな意義があるとともに、今後の省エネデバイスの設計指針を与える成果でもある。また、金属ナノ粒子の蒸着によりフォノン物性を制御できる可能性を見出した点も応用上重要な成果であると考えている。また、分極反転構造を用いたキャリアドーピングの成果は、低損失な原子層半導体デバイス応用への道を開く成果であり、今後そのデバイス応用にも取り組んでいきたい。
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