研究課題/領域番号 |
21H01092
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
北口 雅暁 名古屋大学, 素粒子宇宙起源研究所, 准教授 (90397571)
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研究分担者 |
細畠 拓也 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 上級研究員 (00733411)
日野 正裕 京都大学, 複合原子力科学研究所, 教授 (70314292)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
2023年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 暗黒エネルギー / 中性子干渉計 / パルス中性子 |
研究開始時の研究の概要 |
「中性子干渉計」を開発し宇宙進化の鍵である「暗黒エネルギー」を多角的に研究する。質量を持つ物体間の未知の相互作用を詳細に調べるために、質量を持ち電磁気相互作用が小さい中性子を試験粒子として用いる。 中性子干渉計は相互作用を波動の位相変化として捉えるもので、その位相変化は波長に比例する。長波長パルス中性子を用いることで感度を向上させ系統誤差を抑制する。J-PARCから得られる世界最大強度の中性子ビームと組み合わせることで、暗黒エネルギーに対する探索感度を従来の1桁から2桁向上させる。開発した干渉計を用いて、核力相互作用の精密測定・重力の量子力学的干渉効果、未知短距離力探索などを行う。
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研究実績の概要 |
多層膜冷中性子干渉計の改良を進めた。利用波長帯域を拡大するための、干渉計用スーパーミラーを開発した。研究用原子炉JRR3のビームラインMINEにてミラーの反射特性を測定し、波長帯域を確認した。これを利用した干渉計を作成中である。微小位相測定・位相ノイズ模擬実験のための、位相変調装置を試作し動作確認を行っている。J-PARC中性子ビームラインにて、いくつかの物質の中性子散乱長の測定を試験し、結果を解析・論文の準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
利用波長帯域を拡大するための、干渉計用スーパーミラーを開発した。研究用原子炉JRR3のビームラインMINEにてミラーの反射特性を測定した。当初の要求を満たす波長帯域をカバーできることを確認した。このミラーをビームスプリッターとして昨日させる素子「中性子ビームスプリッティングエタロン」を、現在作成中である。 探索すべき相互作用による微小な位相変化を模擬したり、外乱によって振動するような位相ノイズを模擬するための、位相変調装置を共同研究によって試作し、動作確認を行っている。まもなくJ-PARC中性子ビームラインでのテスト実験を行う予定であり、実験準備をすすめた。 暗黒エネルギーの探索のための基礎データである、原子核の中性子散乱長測定の実証実験をおこなった。我々の干渉計が装置として十分な精度を出せることを確認した。一方、絶対値を出すためには試料の形状や不純物の定量の精度を向上させる必要があることがわかった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、J-PARC中性子ビームラインにて多層膜冷中性子干渉計を改良し、本測定が可能な装置として完成させる。特に利用波長帯域を拡大した干渉計用スーパーミラーを搭載させる。ピエゾステージを利用した大型干渉計の開発を行い、暗黒エネルギー探索に挑戦する。原子核散乱長の測定においては、我々の干渉計の性能を十分発揮できるよう、試料の形状や不純物の高精度な測定を行う。実際に散乱長の高統計測定を行う。またガスによる位相変化測定のためのガスセルや重力実験のためのジグなどを開発し、試験する。結果を論文にまとめて公表する。
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