研究課題/領域番号 |
21H01258
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鹿園 直毅 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30345087)
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研究分担者 |
谷口 淳 東京理科大学, 先進工学部電子システム工学科, 教授 (40318225)
岡部 貴雄 東京大学, 生産技術研究所, 特任助教 (80649400)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | 燃料電池 / 電極 |
研究開始時の研究の概要 |
固体酸化物形セル(Solid oxide cell, 以下SOC)では,燃料極に用いられている金属ニッケル(Ni)が移動・凝集・粗大化することが課題となっている.しかしながら,この現象は熱工学,電気化学,材料科学といった複数の学術に跨る非常に複雑な現象であり,電気化学ポテンシャル勾配,ガス雰囲気,コンポジット化される酸化物の材料やその3次元的な凹凸形状等が及ぼす影響は明らかではない.本研究では,SOCの高温in-operando(実運転環境下)観察を実施することで,微細凹凸構造内のNi移動に対する電流密度,水蒸気分圧,電解質材料や凹凸等の影響を系統的に実験評価する.
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研究実績の概要 |
本年度は,ニッケルに銅や鉄等の標準電極電位の異なる金属を合金化させたものを,イットリア安定化ジルコニア(YSZ)基板上にスパッタリングし,パターン燃料極固体酸化物形燃料電池を構成した上で,発電実験を実施した.その結果,発電実験後において,銅を合金化するとYSZ基板上のNiの移動が促進され,鉄を合金化すると逆に抑制されることが分かった.酸化しにくい銅は酸化物であるYSZとの結合が弱く,逆に酸化しやすい鉄の場合はYSZとの結合が促進されたためと考えられる.今後,合金の異種金属濃度を変化させ,系統的な実験を実施する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ニッケルに銅や鉄を合金化した金属をイットリア安定化ジルコニア基板にスパッタリングすることで,パターン燃料極を作製した.当初,スパッタリング装置の安定性や,基板への密着性の影響が懸念されたが,製造時のスパッタリングを調整することで,実験可能なパターン電極セルを作製することができた,
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今後の研究の推進方策 |
合金濃度をパラメータとした系統的な実験を実施するとともに,発電だけでなく,電気分解運転も含めた電流の向きの変化およびその周波数の影響についても系統的に評価を進める予定である.
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