研究課題/領域番号 |
21H01272
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20010:機械力学およびメカトロニクス関連
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研究機関 | 東京農工大学 (2022-2023) 東京工業大学 (2021) |
研究代表者 |
倉科 佑太 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40801535)
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研究分担者 |
野本 貴大 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00734732)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | 超音波 / 高分子医薬品 / 薬剤送達 / 経皮投与 / ソノフォレシス / DDS / 皮膚 / 生体高分子 / ナノ薬剤 |
研究開始時の研究の概要 |
生体高分子医薬は安全で薬効が高いことから従来の低分子薬剤に代わる薬剤として注目されているが,その大きさや表面特性から体内へ浸潤させることは困難である.この生体高分子を投与する方法として,皮膚を介して体内深部へ拡散できる超音波による経皮浸潤効果(ソノフォレシス)が期待されている.しかし,従来では効率的な超音波の照射方法は確立されておらず,投与できる薬剤のサイズは限定されていた.そこで,本研究では複数の振動子を用いて超音波の周波数を重畳化することで,これまで経皮での浸潤投与が困難であった生体高分子(キトサンによりカプセル化したbFGF)を効率よく送達する方法を構築する.
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研究成果の概要 |
副作用が少なく,優れた薬効に期待できる生体高分子薬剤を低侵襲で投与できる可能性がある超音波経皮投与手法は,kHz帯の超音波により誘起されるキャビテーションバブルの崩壊により薬剤を投与する方法である.しかし,キャビテーションバブルが散発的に生じることから,誘起されるマイクロジェットは不安定であり,従来技術において薬剤投与量は限られている.そこで,本研究では新たな超音波照射方法を提案し,効率的な経皮薬剤投与手法を構築した.その結果,薬剤モデルの投与量が有意的に増加し,薬剤モデルが従来よりも深くまで投与可能であることを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,注射針を用いることなく,薬剤を皮膚から投与できる超音波薬剤投与の研究を実施し,新たに効率的に投与できる手法を開発した.従来の超音波投与手法よりも飛躍的に投与量が増加することや,より深く投与できた結果から,これまで実用化が困難であった超音波経皮薬剤投与システムを構築するための基礎的な知見を得ることができた.また,本現象がどのように生じるかというメカニズムについても議論することができた.この超音波による投与は注射針の安全性や侵襲性のリスクから解放される手法として用いることが考えられ,例えば常用投与を必要とする薬剤や発展途上国での使用など様々な応用が期待できる.
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