研究課題/領域番号 |
21H01390
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
野田 俊彦 豊橋技術科学大学, 次世代半導体・センサ科学研究所, 准教授 (20464159)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | イオンイメージセンサ / マルチモーダルセンサ / 農業用センサ / 植物用センサ |
研究開始時の研究の概要 |
植物工場での生育モニタリング用に植物に直接刺入し,植物体内の情報を「面」で捉えて可視化するCMOSマルチモーダルイメージセンサを開発する。植物の内部構造は均一ではないため,従来型の「点」で計測するセンサでは,刺入部位によって得られる情報が異なってしまうという原理的な問題があった。本センサはこの問題を解決し,イオンの二次元イメージングによって茎内の所望部位の情報を正確に計測する。また,AI技術を活用したマルチイオンイメージングにも取り組む。植物体内情報のマルチモーダルセンシングを実現することにより,未だ解明されていない植物生育メカニズムの解明につながる新たな計測デバイスとなることが期待される。
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研究実績の概要 |
提案するコンセプトを実現するために ①刺入型マルチモーダルセンサの設計と試作,②マルチイオンイメージング技術の確立,③センサチップに集積可能な薄膜参照電極の開発 これら3つの技術課題を設定し,それぞれ以下のように取り組んだ。 ①刺入型マルチモーダルセンサについては,前年度試作した電気伝導度センサの特性評価をすすめ,電気伝導度変化の2次元分布が計測可能であること,またそれがpH計測ど同時に可能であることを確かめた。この測定原理に基づきトマト茎に刺入した実証実験を行い,pHと電気伝導度変化が同時に捉えられることを確認した。またこれらの結果から,茎の内部構造が推定できる可能性が見出され,その検証を進めた。 ②マルチイオンイメージング技術については,複数のイオン感応膜をパターニングしたセンサを作製し,トマト茎に刺入して実証実験を行った。2種類のイオンが連続モニタリングかのうであることを確かめた。 ③薄膜参照電極については,薄膜電極を参照電極として使用した場合のセンサ特性を評価した。短期特性では良好な特性が得られたが,経時変化がおおきく長期計測時に問題になると予想された。そこで薄膜電極上にペースト電極を追加形成して耐久性を向上させた参照電極を作製した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初掲げた研究計画通りに研究が進捗しており,次年度以降のセンサシステム開発に繋がる成果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
センサシステムに必要な個々の基礎技術開発は順調に進んでおり,次年度はこれらを統合してプロトタイプを作製し,植物の長期計測実験を実施する。栽培環境を人工的に制御可能な構成とし,栽培環境とセンサ計測結果の因果関係を検証する。また,マルチモーダル化をすすめるため,イオン以外の計測について検討し,基礎検証を行う。
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