研究課題/領域番号 |
21H01480
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小山 智幸 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (50215430)
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研究分担者 |
湯淺 昇 日本大学, 生産工学部, 教授 (00230607)
山本 大介 大分工業高等専門学校, 都市・環境工学科, 准教授 (40398095)
伊藤 是清 東海大学, 文理融合学部, 教授 (50380663)
白川 敏夫 九州産業大学, 建築都市工学部, 教授 (60623387)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
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キーワード | コンクリート / 非水硬性副産粉体 / 耐久性 / 曝露実験 / 細孔構造 / 副産粉体 / 大量混合 / 粉体構造 / 有効利用 / 空隙構造 |
研究開始時の研究の概要 |
フライアッシュ(石炭灰)、砕石粉、各種非反応性スラグ、あるいは焼却灰など、世界各地で増大している種々の副産粉体を、コンクリートの強度を向上させながら大量に有効利用するための新たな耐久性理論を確立することを目的とする。水と練り混ぜただけでは硬化しない非水硬性副産粉体を用いた場合でも、混合条件によっては、これらの粉体がコンクリートの空隙構造を物理的に微細化する作用によりコンクリートの強度や耐久性が向上することに着目し、最適な空隙構造や空隙構造に及ぼす粉体の作用メカニズムを明らかにして、新たな耐久性理論を確立する。
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研究実績の概要 |
フライアッシュ(石炭灰)、砕石粉、各種非反応性スラグ、あるいは焼却灰など、世界各地で増大している種々の非水硬性副産粉体を、コンクリートの性能を向上させながら大量に有効利用するための新たな耐久性理論を確立することを目的とする。水と練り混ぜただけでは硬化しない非水硬性副産粉体を用いた場合でも、混合条件によっては、これらの粉体がコンクリートの空隙構造を物理的に微細化する作用によりコンクリートの強度や耐久性が向上することに着目し、空隙構造に及ぼす粉体の作用メカニズム(硬化後の空隙サイズ、形状、およびそれを作り出す混練時の粉体条件など)を明らかにして、新たな耐久性理論を確立する事を目的とする。 初年度は,中性化,凍害,塩害,化学劣化などに対する耐久性を検討するためのコンクリート試験体を作成し,全国各地の暴露場において曝露実験を開始した。また同時に実験室実験も開始した。なお,基礎データとして,コンクリート試験体中のセメント硬化体部分の細孔構造を水銀圧入式ポロシメータで測定するとともに,圧縮強度や静弾性係数などの力学性状を実大レベルのコンクリート柱試験体を種々の調合で作成して計測した。また,これらの中性化性状をはじめとする耐久性状との関連を非破壊試験によって検証するために,一般に用いられるシングルチャンバー法に加えて,分担者の提案する,中性化との相関がより高い吸水試験により評価した。その結果,ポロシティ,吸水性状,中性化速度係数がそれぞれに高い相関にあることを確認した。引き続き今年度は曝露実験を継続し,副産粉体を外割混合したコンクリートが弱酸性の硫酸環境においても耐久性を有すること,その要因が組織の緻密化によるものであることを確認した。凍害に関しても外割混合したコンクリートでは連行空気量が少ないにもかかわらず変状を生じていなかった。更に計測して検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスの影響で予定していた実験や試験体作成が遅延するなどの影響は出ているが,実環境への暴露開始や,基礎データの収集,外割混合したコンクリートの高い耐久性の確認など,概ね予定していたスケジュール通りに作業は進んでいると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
3年度目の計画として,前年度に引き続き曝露実験を継続する。また,促進試験も併用しながら,空隙構造と耐久性の関係を検討し,先行研究の成果も踏まえながら最適な粉体構成に関するシミュレーションを実施する。具体的には下記のように研究を進める予定である。 研究代表者小山は、非水硬性副産粉体を混合したコンクリートの空隙構造と耐久性の関係の分析を行う。初年度は、研究分担者らと協力して、非反応性粉体としてまずフライアッシュや石粉などを用いた試験体を作成し、その空隙構造と種々の劣化(炭酸化、凍結融解、化学劣化など)に対する曝露実験を開始した。2023年度は2022年度に引き続き初年度に曝露開始した試験体の劣化状況の測定を行うとともに,粉体構造と耐久性との関係について検討を行う。 研究分担者湯浅は、非水硬性副産粉体を混合したコンクリートの空隙構造の計測ならびに耐久性評価を行う。2023年度は2022年度に引き続き上記試験体の空隙構造の変化を測定し,耐久性との関連を検討する。研究分担者伊藤は、非水硬性副産粉体を混合したコンクリートの最適空隙構造実現のためのシミュレーションを継続して実施し,耐久性上との関係を検討する。研究分担者白川は、非水硬性粉体を混合したコンクリートの非破壊検査による耐久性評価を行う。2023年度は前年度に引き続き、先行研究で開発した表面吸水試験装置並びに既存のダブルチャンバー法による試験装置を用いて測定した結果と上記耐久性との関連を検討する。研究分担者山本は、非水硬性粉体を混合したコンクリートの暴露実験を担当する。初年度はコンクリート試験体を作成し、代表者が各地に開設している暴露場への設置を行った。2023年度もこれまでの結果を踏まえながら試験体を追加するとともに,実施中の試験体の測定を計測して行う。
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