研究課題/領域番号 |
21H01495
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23020:建築環境および建築設備関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
倉渕 隆 東京理科大学, 工学部建築学科, 教授 (70178094)
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研究分担者 |
金 政一 東京理科大学, 工学部建築学科, 助教 (50887891)
李 時桓 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (60624997)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | 感染リスク低減 / バイオエアロゾル評価指標 / 換気指標 / 数理疫学 / バイオエアロゾル / 挙動特性 / 数値解析 / 換気 / 重力沈降 / 沈着 / 感染リスク |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,バイオエアロゾル(ウイルス,バクテリアなど)の挙動を定量的に検討する評価指標を開発し,その指標に基づいた寄与率評価により感染リスク低減方法を構築する。 世界規模で急速に広がるバイオエアロゾルによる感染症問題に対し,換気・空気清浄・殺菌などの対策が挙げられているが,数理疫学・工学的に評価する指標がなく,それぞれの効果について明確な基準がないのが現状である。そこで実験的な手法による数理疫学の検証,数値解析による定量的な検討により,ウィズコロナ時代における社会科学・工学分野でのソリューションを提案する。
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研究実績の概要 |
本研究は,バイオエアロゾル(ウイルス,バクテリアなど)の挙動を定量的に検討する評価指標を開発し,その指標に基づいた寄与率評価により感染リスク低減方法を構築することを目的として、2022年度は感染リスク低減方法の検討について以下取り組んできた。 換気による感染リスク低減方法の検討では、粒子状物質の数値解析方法についてEulerian手法とLagrangian手法に分けて行なった文献調査をもとに、粒子状物質の粒径(0.1 μm ~ 100 μm)による重力沈降,床・天井・壁面への沈着速度について検討し,数値解析によって定量的に検討した。結果として、粒径が大きい粒子は重力沈降により,床面に沈着して除去され,換気量が高くなったと見なすことで評価可能であることが明らかになった。 空気清浄による感染リスク低減方法を検討では、まず、動的定常濃度の理論を応用したトレーサガス実験法より室内の空気齢分布、空気清浄機が及ぼす室空気への影響を考察した。結果として、同理論を用いた空気清浄機による室内空気環境の改善効果の定量評価が可能であること確認し、空気清浄機の影響範囲を明らかにした。 また、2021年度のエアロゾルの粒子径分布の被験者実測において、実験装置の改良を行うとともに、専用のマスクを装着したトランスデューサーを接続することで実験者たちの呼吸量の測定し、感染リスクの定量評価を実施した。結果としてマスク着用による感染リスクの低減効果を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度の課題であったマスクの飛沫発生の抑制効果に関しては専用のマスクを装着したトランスデューサーを接続することで実験者たちの呼吸量の測定を行い、感染リスクの定量評価を実施した。本年度実施予定であった「感染リスク低減方法の検討」では、換気による感染リスク低減方法の検討について粒子状物質の数値解析方法を用いた重力沈降、沈着速度を考慮した換気量の評価が可能であることを明らかにした。また、動的定常濃度の理論を応用したトレーサガス実験法より空気清浄機の影響範囲を明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に予定している「換気設備設計・運用法の提案」では、本年度まで実施した内容を踏まえ、感染リスク低減のための必要換気量の検討に関して空気清浄機のようにフィルター捕集率を考慮した設備による相当換気量を検討軸に入れることとする。そのため、模擬飛沫をトレーサーとした換気実験を実施する。模擬飛沫のような粒子をトレーサーとする場合には蒸発・重力沈降などの影響が考えられるため、その特性を明らかにし、既存の換気効率指標を用いた検討を進める。
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