研究課題/領域番号 |
21H01544
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
|
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
岡田 哲男 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (10753048)
|
研究分担者 |
川村 恭己 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (50262407)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
|
キーワード | コンテナ船 / ホイッピング / モニタリング / 操船支援 / 波浪スペクトル |
研究開始時の研究の概要 |
近年、コンテナ船の大型化に伴い、船体強度に対するホイッピング(波浪衝撃に伴う船体過渡振動)の影響が増大している。本研究では、実船計測データからホイッピング発生を検出する新たな手法を開発する。また、この手法に基づいて海象・操船条件ごとにホイッピングの大きさと頻度の精緻な確率モデルを構築する。この確率モデルに基づいて、船上モニタリングデータから、遭遇波浪スペクトル、船体構造応答やホイッピングの大きさ・頻度を予測し、ベイズ更新していく仕組みを作成する。これにより、損傷確率評価、減速・変針等の操船判断に伴う将来の応答変化予測などを含む総合的な船上での操船判断支援システムを構築する。
|
研究成果の概要 |
本研究は大型コンテナ船の設計条件や運航・海象等がホイッピングや船体構造応答に及ぼす影響を定量的に評価し,効果的な設計・操船に資することを目的としている。この目的を達成するため,まず実船計測データからのホイッピング抽出手法に関する研究を行った。スラミングが既存の振動を減衰させる現象も含めて,応答波形からスラミングの発生を同定する方法を確立した。さらに実船計測データを用いた遭遇方向波スペクトル推定技術の精度向上に関する研究を行い,操船や保船を支援する手法を検討した。推定した方向波スペクトルを10分ずつシフトした時刻歴を刻々ベイズ更新し,現在遭遇している波浪を精度よく再現できることを示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年,コンテナ船の大型化に伴い,荒天に伴う過大波浪荷重やホイッピングによる船体損傷が懸念されている。また,それらを予見し適切な対策を効果的に行うための手法として,デジタルツインの概念が注目されている。本研究は実際に船上で計測されたデータを用いてホイッピング発生の同定や遭遇している方向波スペクトルの推定を精度よく行うものであり,これの実現により船体の様々な部位に発生している応力をサイバー空間のデジタルツイン上に精度よく再構築し,構造損傷を発生させないための操船や保船を効率的に支援することができるようになる。これにより船舶のより安全で合理的な運航が可能となると期待される。
|