研究課題/領域番号 |
21H01584
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
若井 明彦 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (90292622)
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研究分担者 |
佐藤 剛 東京都市大学, 環境学部, 教授 (00468406)
木村 誇 愛媛大学, 農学研究科, 助教 (90758559)
蜂屋 孝太郎 帝京平成大学, 人文社会学部, 教授 (40540381)
高橋 啓 福岡工業大学, 情報工学部, 准教授 (70595280)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
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キーワード | 斜面 / 降雨 / 崩壊 / 地下水位 / 観測 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の最大の目的は,ばらまき型センサーによる安価な全斜面的監視システムの開発である。本研究では,実際の斜面を観測対象地として,そこで多様なMEMSセンサーを多数配置してデータロガーを無・有線の通信網で繋ぎ,現地からは携帯回線でリアルタイムに研究室等へ伝送して監視することを試みる。さらに,水圧等の観測データを数値解析モデルに入力して斜面の変動機構解析を行うとともに,予測された解析結果を変動の観測データと比較して解析パラメータを調整するような,自己完結型の斜面解析・早期警戒システムの実現を目指す。最後に,こうしたシステムを将来的に社会での斜面防災施策に実装するための可能性を検討する。
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研究成果の概要 |
斜面の安定性評価と監視手法を高度化させる要素技術を検討した。すなわち,俯瞰調査に基づく斜面状態の把握,観測伝送技術の効率化,の二点である。研究を進めるための実斜面の観測サイト(愛媛県の興居島と熊本県の阿蘇山域)を選定した。俯瞰調査として地形解析とそれを補うUAV航空測量を試みた。観測伝送技術の効率化については,センサーから得られる観測データのリアルタイム伝送の要素デバイスを改良した。最後に,地下水および表流水シミュレーションモデル(TAG_FLOW)を用いた解析を行った。解析対象地の地下水位,安全率,表流水の深さを時刻歴ごとに算出し,崩壊箇所における危険度評価の妥当性を検証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ばらまき型センサーによらなければ実現しなかった,従来にない安価な全斜面的監視システムの構築に向けた斜面観測と再現解析,さらには観測データに基づく解析モデル自身の高精度化,といった総合的な斜面研究を実施した。こうした多点観測システムは,発生箇所を事前予測しにくい自然斜面の広域予測に応用でき,将来のセンサー単価のさらなる低下がこの潮流を強く後押しすることが期待される。観測に基づいて信頼性が向上した力学モデルは,斜面監視の実務において早期に応用可能である。土質力学に適った斜面安定指標を新たに導入することで,例えば,現行の土壌雨量指数のような定性的な指標を精密な力学的観点から補強することに役立つ。
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