研究課題/領域番号 |
21H01589
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
鶴 哲郎 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (80371730)
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研究分担者 |
山中 寿朗 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (60343331)
尾張 聡子 東京海洋大学, 学術研究院, 助教 (50846350)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 海底メタンガス / 地震探査 / 移動集積メカニズム / 断層解析 / ガス組成 / 環境配慮型振源 / 同時発振 / 東京湾 / 組成分析 / 同時発振地震探査 / 同時発振式地震探査 |
研究開始時の研究の概要 |
東京湾周辺域では建設工事の際にガス漏れ事故が多数発生しており、その原因は首都圏の地下に拡がる南関東ガス田であると考えられている。しかし、その中央部に位置する東京湾ではガスの詳細は不明である。これまでの研究から、東京湾北部の広い範囲の海底にメタンを主成分とするガス層が存在する可能性が出てきた。東京湾では過去に大規模火災の報告はないものの、メタンの強い可燃性を考慮すると災害リスクはゼロではない。本研究では、この海底ガスがどこにどのくらい、どのような形態で集積しているかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
東京湾およびその沿岸域で湧出するメタンガスの詳細な観察と分析により、それらのガスが現生の底泥微生物と地下深部の南関東ガス田という2つの起源を有することを明らかにした。東京湾で採取したメタンガスは後者であった。 東京湾とそこに流入する4河川での地震探査の結果、ほぼ海底か川床まで変位を有する断層が複数発見された。詳細な速度解析の結果、断層近傍での選択的なガス集積形態が確認され、断層を介するガスの移動集積メカニズム仮説が検証された。 東京湾では東京アクアライン以北の海底下数十mに、少なくとも2層の海底ガス層が広く存在することが明らかになった。上位のガス層の分布量は約1億7200万m3であると推定される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
東京湾およびそこに流入する河川下における断層の発見とそれら近傍に集積するガスといった観測事実は、断層を介した地下深部からの流体移動を理解する上で貴重である。特に、顕著な活断層が存在しないような地域における、比較的大きな固着度を有する断層内での流体移動を理解する上で、この観測事実は学術的に大きな意義を持つ(地震動に伴う移動など)。 東京湾とその沿岸域で湧出するメタンガスの起源の一つが南関東ガス田であることは、当該地域におけるメタンガスの湧出現象が今後少なくとも数百年間続くことを示唆している。すなわち、建設工事の際に発生してきた災害リスクは今後も軽減しないことを意味しており、防災上大きな意義がある。
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