研究課題/領域番号 |
21H01633
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26030:複合材料および界面関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
金井 俊光 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (10442948)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
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キーワード | コロイドアモルファス / マイクロ流体デバイス / 紫外線遮蔽剤 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、マイクロ流体デバイスを用いて新規な球状コロイドアモルファスを作製し、紫外線遮蔽剤としての応用を検討する。従来よりも小さなコロイド粒子を用い、粒子濃度や屈折率の調整により、可視光領域は透過し、紫外線領域は遮断する、角度依存性のない紫外線遮蔽剤の実現を目指す。
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研究実績の概要 |
マイクロ流体デバイスを用いた球状コロイドアモルファスの一段階連続合成法の開発研究において、単分散水ガラス液滴形成用のガラスキャピラリー型マイクロ流体デバイスと微細加工機を用いて作製した反応用マイクロ流体デバイスを組み合わせたシステムを用いることにより、単分散な球状シリカ粒子を連続的に作製できた。また水ガラス濃度、分散相および連続相の流量、流路サイズを調整することにより、単分散球状シリカ粒子の主に二次粒子径を制御できた。市販の単分散粒子を用いた球状コロイドアモルファスの作製研究において、粒径160 nmの単分散PMMA粒子(屈折率: 1.52)が本研究では最適であることがわかった。PMMA粒子をエラストマー前駆体であるHBAに分散させた液相と、連続相であるシリコーンオイルをマイクロ流体デバイス内に流動させることにより、単分散液滴を作製し、その後の紫外線照射によりPMMA粒子を内包したエラストマー粒子を作製することができた。しかしながらPMMA粒子はアモルファスと思われる構造と結晶が混在した状態であった。すべての粒子がアモルファス構造になるように、静電反発力の制御が不可欠となった。荷電コロイド分散系における粒子間の静電反発力の制御は、塩添加により可能であることが知られている。本研究では、エラストマー前駆体溶液において粒子間の静電反発力を制御できる塩として、イオン液体が利用できることを確認した。適量のイオン液体を予めエラストマー前駆体溶液に溶解させておくことにより、すべての粒子をアモルファス構造にできる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マイクロ流体デバイスを用いた球状コロイドアモルファスの一段階連続合成法の開発研究では、一次粒子径の制御がまだできていないが、水ガラス濃度や反応温度の検討により可能であると考えている。また、市販の単分散粒子を用いた球状コロイドアモルファスの作製研究においては、塩濃度の調整により静電反発力が制御でき、すべての粒子をアモルファス構造にできると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
マイクロ流体デバイスを用いた球状コロイドアモルファスの一段階連続合成法の開発研究において、得られる球状シリカ粒子の一次粒子径を制御するため、水ガラス濃度をさらに大きく変えることを試みる。また反応温度の制御も行い、温度による粒径制御を試みる。市販の単分散粒子を用いた球状コロイドアモルファスの作製研究においては、塩を添加することにより、粒子間の静電反発力を制御し、すべての粒子がアモルファス構造になる条件を明らかにする。さらに得られた粒子のスペクトル測定から、紫外線遮蔽能を検討する。
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