研究課題/領域番号 |
21H01641
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26030:複合材料および界面関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
長谷部 光泉 東海大学, 医学部, 教授 (20306799)
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研究分担者 |
前川 駿人 東海大学, 医学部, 客員講師 (10855307)
堀田 篤 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (30407142)
尾藤 健太 東海大学, 医学部, 客員講師 (80850106)
亀井 俊佑 東海大学, 医学部, 助教 (90778862)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | 医療機器開発 / ステント治療 / フッ素添加ダイヤモンドライクカーボン / 薬剤溶出性ポリマー / 医工・産学連携 |
研究開始時の研究の概要 |
下肢切断に至る危険がある下肢閉塞性動脈硬化症に対しては,カテーテル治療による血管内ステントによる血管拡張術が普及している.しかし,研究開発の遅れから下肢動脈ステントの術後1年の開存率は心臓冠動脈ステントと比べ著しく低い.心臓領域ではコバルトクロム合金上に「血液適合性の無機ナノコーティング」と「薬剤を溶出する生分解性ポリマー」のハイブリッド構造のコーティングを被覆して高い開存を達成しているが,下肢ステントに用いられる超弾性ニッケルチタン合金上では同様の技術が確立されておらず,低開存率の一因となっている.本研究では,薬剤溶出・生分解性ポリマーとの複合材料を開発し,臨床で必要な技術を確立する.
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研究成果の概要 |
F-DLCコーティングしたステント上に薬剤溶出・生分解性ポリマーコーティングを均一に成膜する条件を選定し,ハイブリッドコーティングを最適化した.ステント使用環境模擬試験では,カテーテル内に収納した開発品を模擬血管へ留置し,問題なくステントをデリバリーできることを確認した.また,開発品ステントについて,コーティング表面のSEM観察,薬剤溶出挙動,生分解挙動についてのデータを取得した. さらに,ハイブリッドコーティングしたNiTiステントの動物体内への留置試験を実施し,血管内超音波検査および血管造影によりステント留置部を経過観察したところ,6ヶ月にわたって正常な血流が維持されることを確認した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動脈硬化症が下肢領域で発症すると,血流が途絶え下肢切断の危険性がある.この状態では,ある種の癌よりも5年生存率(50%以下)が低く,患者のQOLが著しく低下するため,早期治療介入が必要である.下肢領域の中でも膝窩動脈以下(BTK)領域の細径動脈においては血流を維持するための専用のステントが存在せず,冠動脈ステントが転用されるが,開存率は60-70%程度にとどまる. 本研究では,BTK領域の血管に留置可能な細径ステントに対し,ハイブリッドコーティングを均一に剥離なく施すことで,生体反応を抑制して長期開存を実現した.開発品が実用化されれば,BTK領域の治療成績が劇的に向上することが期待される.
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