研究課題/領域番号 |
21H01759
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
前田 優 東京学芸大学, 連合学校教育学研究科, 教授 (10345324)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 12,090千円 (直接経費: 9,300千円、間接経費: 2,790千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / 近赤外発光 / 化学修飾 / カイラル指数 / ゲルクロマトグラフィ / 光通信 / バイオイメージング / 近赤外蛍光 / 分子変換 / 近赤外吸収 |
研究開始時の研究の概要 |
半導体型の電子構造を持つSWNTsは構造に応じた固有の近赤外発光を生じることから、その近赤外光を利用した深度の高いリアルタイムイメージングや、光通信のセキュリティーを向上させるための単一光子源としての活用が期待されている。 これまでに、(6,5) SWNTsのアルキル化によって、1100や1230 nmに近赤外発光が発現することを見出している。本研究では、化学修飾によってさらに(6,5)SWNTsの近赤外発光を制御する方法に取り組み、これを他の電子構造を有するSWNTsに対して適用することで、より広範囲の励起波長と発光波長に対応したSWNTs近赤外発光材料を創成することに挑戦する。
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研究成果の概要 |
本研究では、カーボンナノチューブの側面化学修飾を行い、局所的にπ電子共役系を変調することで局所的にバンド構造を制御し、バイオイメージングや光通信に利用可能な、広範囲に渡る近赤外波長域に、発光を選択的に発現させる方法を開発した。また、カイラル指数に基づいて、カーボンナノチューブ付加体を分離精製することを実現し、構造の異なるカーボンナノチューブに及ぼす化学修飾の影響を評価するとともに、励起波長と発光波長を大きく拡張することに成功した。これにより、本研究目的である近赤外発光性カーボンナノチューブライブラリーの構築と高純度化を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回開発した化学修飾法によって、市販されている(6,5) カーボンナノチューブ(SWCNT)から1000 nmから1320 nmの範囲で段階的かつ選択的に発光を発現させることに成功した。これにより、高深度・高輝度のバイオイメージングへの活用が期待される。世界に先駆けて、光通信で実装されている1300 nmの波長域で選択的に発光を発現できたことから、SWCNTのバンド構造を制御する方法を解明した学術的な意義に加えて、ナノ材料の実用面でも大きく資する研究成果となった。構造の異なるSWCNT付加体を分離することで、励起波長・発光波長の選択肢を拡張することができ、さまざまな用途への対応が可能となった。
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