研究課題/領域番号 |
21H01778
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28050:ナノマイクロシステム関連
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研究機関 | 立命館大学 (2023) 東京大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
磯崎 瑛宏 立命館大学, 理工学部, 准教授 (10732555)
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研究分担者 |
松阪 諭 筑波大学, 医学医療系, 教授 (00372665)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2021年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | 細胞分取 / フローサイトメトリー / イメージングフローサイトメトリー / 血中循環がん細胞 / がん細胞検出 / 機械学習 / CTC / インテリジェント画像活性細胞選抜法 / Flow cytometry / マイクロ流体工学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、血中循環腫瘍細胞 (CTC)の高感度検出および解析技術を構築することを目的とする。これにより、患者への身体的負担の少ない血液検査によるCTC検出を用いたがんモニタリング方法の構築を目指す。がんの転移はがん細胞が血流に乗って他の場所に移ることによって起こるため、血中のがん細胞「CTC」を血液検査によって検出できれば、がんの早期発見などが可能になる。しかしながら、CTCは1 mLの血液中に数個しか存在しないと言われており、検出の感度を上げることが大きな課題であった。本研究は、マイクロ流体技術と超高速イメージング技術を用いることでこの課題を解決する。
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研究実績の概要 |
本研究では、血中循環腫瘍細胞 (Circulating tumor cells; CTC)の高感度検出および解析技術を構築することを目的とする。これにより、患者への身体的負担の少ない血液検査によるCTC検出を用いたがんモニタリング方法の構築を目指す。がんの転移はがん細胞が血流に乗って他の場所に移ることによって起こるため、血中のがん細胞「CTC」を血液検査によって検出できれば、がんの早期発見などが可能になる。さらにCTCは血中でクラスター化することもある。クラスター化したCTC「クラスターCTC」は、単一で存在するCTCと比較して転移能力の高いという報告もあり、血中のクラスターCTCの有無も有用な情報となる。しかし、CTCは1 mLの血液中に数個しか存在せず、クラスターCTCはさらに少ないと言われているため、検出の感度を上げることが大きな課題であった。本研究は、マイクロ流体技術と超高速イメージング技術を用いることでこの課題を解決することを目指している。 このような目的のもと、まず、健常者の血液サンプルと培養がん細胞を1対1で混ぜてイメージングフローサイトメトリーにてがん細胞検出実験を行った。このとき、マイクロ流路に工夫を施すことにより、実質の細胞検出スループットを約20倍向上させることに成功した。また、検出実験の結果、がん細胞を高スループットでイメージングすることに成功した。この結果を受けて、乳がん患者の血液サンプルを用いてCTC検出実験を行った。このとき、得られた画像を丁寧に調べることにより、CTC細胞がイメージングできていたこと、またクラスターCTCもイメージングされていたことを確認できた。これは、本研究の最初の原理検証実験結果として極めて重要な成果であると言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
乳がん患者の血液サンプルを用いて実験を行うと、上述のようにCTCは非常に希少な細胞となり、検出される細胞のほとんどは白血球細胞となる。本実験において、白血球細胞は「ノイズ」になるわけで、大量のノイズの中から信号(=CTC)を探し出すアルゴリズムが必要となる。これは実験を開始する当初考えていた以上に難しく、予想以上に時間を要することになったため、当初の研究計画よりは若干遅れた。しかしながら、実験やアルゴリズム構築の過程で多くの知見を得ることもでき、研究自体はおおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
乳がん患者の血液サンプルからCTCを検出するアルゴリズムを確立する。また、CTC分取へ向けて、細胞分取マイクロ流体デバイスの修正にも着手する。
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