研究課題/領域番号 |
21H01779
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分28050:ナノマイクロシステム関連
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研究機関 | 早稲田大学 (2023) 東京大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
森本 雄矢 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (60739233)
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研究分担者 |
吉田 昭太郎 中央大学, 理工学部, 助教 (20785349)
根岸 みどり (加藤みどり) 武蔵野大学, 薬学部, 助教 (30300750)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | 骨格筋組織 / 運動神経 / 神経筋接合部 / 3次元神経ネットワーク / 3次元神経ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、世界に先駆けて中枢神経からの神経信号伝達を起因として筋収縮運動可能な脳-骨格筋モデルを創出する。さらに、老化状況を脳-骨格筋モデルで作り出すことで加齢時運動機能低下を再現し、提案モデルが骨格筋に関わる病態・機能解析の基盤技術になり得ることを示すこれまで生体に近い運動が可能な神経信号伝達で筋収縮する運動モデルは実現されておらず、老化時の信号伝達能低下や筋収縮運動能低下の解析は困難であった。提案モデルでは上記解析が実現可能になるだけでなく、非常に弱い筋収縮の量の違いも衰えの初期段階として検出可能となる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、神経信号伝達を起因として筋収縮運動可能な脳-骨格筋モデルを創出するとともに、老化状況を脳-骨格筋モデルで作り出すことで加齢時運動機能低下を再現し、加齢性筋萎縮の病態・薬効解析に提案モデルが有用であることを示すことである。 脳-骨格筋モデルの構築に向けて、まず土台となるヒト骨格筋組織の構築を目指した。申請者独自の3Dプリンタ製のアンカとPDMSモールドを用いることで、両端部を固定した状態でヒトプライマリ筋芽細胞を含む様々なヒト筋前駆細胞の3次元培養をすることに成功した。この両端部固定により張力が負荷された条件での培養が実現され、それによって培養1, 2週間程度でヒト骨格筋組織が構築可能なことを示した。加えて、免疫染色により筋線維独特のα-アクチニンの縞状パターンの発現が確認され、成熟した形態を有することが確認された。さらに、上記のヒト骨格筋組織への電気刺激の負荷によって収縮運動が引き起こされることを示し、当該方法にて機能的にも成熟した組織が両細胞から構築可能であることを確認した。 また、ヒトiPS細胞由来の神経細胞の特定部位と筋線維を共培養することで、神経信号の伝達による筋線維の収縮運動が効率よく発現することを確認した。これにより、ヒト神経細胞を用いた神経筋接合部の形成に成功したことが示唆された。この神経細胞を3次元塊状に保持可能かつ軸索のみを伸展可能なスリットを有するマイクロデバイスの作製も達成しており、マイクロデバイスの利用による神経と骨格筋組織の共培養の実現可能性も明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
提案研究の重要な要素である、ヒト骨格筋組織の構築ならびにヒト神経からの神経信号伝達による筋線維の収縮を実現しており、おおむね目的は達成していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は電気刺激にて神経細胞を刺激することによる骨格筋組織の収縮運動制御を実現するとともに、バイオハイブリッドロボット上の骨格筋組織と神経細胞の共培養を実現することで、ヒト神経からの信号伝達によって筋収縮運動が実現可能な脳-骨格筋モデルを構築する。
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