研究課題/領域番号 |
21H01787
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岡嶋 孝治 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (70280998)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
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キーワード | 原子間力顕微鏡 / 細胞診断 / メカニクス / 細胞力学診断 |
研究開始時の研究の概要 |
原子間力顕微鏡(AFM)は、生細胞・組織の力学特性を高い時間空間分解能で計測することができる。本研究では、AFMを用いて接着状態の細胞の疾患を1細胞単位で定量、且つ高速に同定する新手法を開発する。令和3年度は、細胞レオロジー計測の高速化技術、およびボルツマンの重畳原理に基づく細胞レオロジー解析法の基礎技術および概念を利用し、高速な1細胞レオロジー診断システムを開発する。令和4年度は、細胞株を用いて1細胞単位の高速診断技術を開発する。令和5年度は、プライマリー細胞・組織を用いて高速な細胞疾患の診断技術を開発する。
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研究実績の概要 |
がん細胞は、長期間にわたり体内で徐々に蓄積し、がん遺伝子やがん抑制遺伝子に変異が少しずつ入ることによって発症すると考えられている。細胞の力学特性が、がんの進行度に依存して変化し、この細胞の力学特性の変化が、がん細胞の浸潤・転移に重要な役割をすることが先行研究により明らかになりつつある。原子間力顕微鏡(AFM)は、接着性細胞の力学特性を低侵襲、且つ精密に決定することができる。本研究では、接着状態における1細胞のレオロジー空間分布を測定でき、短時間で細胞診断を可能とするAFM技術を開発することを目的としている。 本年度は、前年度に開発した細胞レオロジー空間分布を計測可能なAFM技術を用いて、正常細胞と前がん細胞の力学特性の判別能を精密に評価した。まず、過去の実験の検証として、細胞弾性率と細胞形状がこれらの細胞の判定にどの程度有効であるかを調べた。その結果、細胞の見かけのヤング率および細胞の高さの2つの計測データは、細胞診断に有効であることが分かった、また、異なる細胞内測定位置のデータのコンビネーションや、ヤング率と高さの多変数解析によって、判別能が有意に向上することが分かった。このような細胞診断は、AFMとマイクロパターン基板との併用により初めて達成できた。さらに、細胞力学計測をレオロジー物性へ展開することによる細胞診断能を評価した。その結果、細胞診断能が、細胞パターン形状にも強く依存することが分かった。さらに、本研究で開発したAFMシステムは、1細胞だけでなく多細胞系への適用できることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度の細胞診断の研究は順調に進展している。また、令和3年度に開発したAFM細胞診断システムを用いて、1細胞だけでなく、組織切片のメカニクス計測も可能であることが分かった。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度の1細胞診断計測を発展させて、1細胞だけでなく多細胞系のサンプルの高速なメカニクス診断計測とその最適化を目指す。
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