研究課題/領域番号 |
21H01821
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分29030:応用物理一般関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
渡邉 信嗣 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 准教授 (70455864)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
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キーワード | 細胞計測 / 走査型プローブ顕微鏡 / 走査型イオン伝導顕微鏡 / 生細胞計測 / ナノメカニクス / メカノバイオロジー / 生細胞イメージング / 細胞力学 / 生細胞 / イオン伝導顕微鏡 / ナノピペット / 走査プローブ顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞が創発する力学挙動を物理計測により理解し、細胞機能の解明を目指す取り組みが近年積極的に行われている。しかし既存技術では、僅かな力で損傷する脆弱な細胞の力学特性を精密に計測することや、非常に弱い力に応答する細胞の力学特性を探ることが困難であった。そこで本研究では、申請者がこれまで独自に発展させてきた走査プローブ顕微鏡技術を基盤に、既存技術の100分の1程度の力で細胞力学特性を計測する技術を開発する。この技術を用いて、これまで見落とされてきた極めて弱い力に応答する細胞表層のナノ構造の検出や、それらの局所弾性率の定量および時空間動態を計測可能な技術を確立する。
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研究成果の概要 |
本研究では、走査型イオン伝導顕微鏡(SICM)により細胞表層のナノ形状および弾性率を時空間マッピングする技術を開発した。系統的に悪性度を変化させた8種類のがん細胞に対して開発した技術を適応し、表面粗さ、易動度、弾性率といったSICM計測データを用いて、8種類のがん細胞がよく分類できることを示した。さらに、3次元培養したオルガノイドを長時間にわたってSICMで計測できる系を構築し、オルガノイド中の単一細胞の形状および弾性率の時間変化を追跡することにも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
既存技術では計測困難である生きた細胞表層のナノ形状や力学動態を長時間にわたって低侵襲かつ高時空間分解能で可視化する技術をSICMを用いて開発した。2次元培養した単一細胞に対する計測だけでなく3次元培養したオルガノイドといった背の高い組織様の多細胞もSICMにより長時間計測可能な測定系を構築した。SICMで計測した細胞表層ナノ形状・ナノ力学動態といった細胞表層情報より、細胞の生理状態を分類する手段の可能性を見出した。走査型プローブ顕微鏡では、通常アクセスが困難な生きた細胞の基底面のナノ構造・力学動態を可視化することも成功した。
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