研究課題/領域番号 |
21H01951
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
笠松 良崇 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (70435593)
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研究分担者 |
北河 康隆 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (60362612)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 14,430千円 (直接経費: 11,100千円、間接経費: 3,330千円)
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キーワード | 重元素 / 化学 / 微量分析 / 相対論効果 / 相対論的量子化学計算 / 核化学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、2~6族元素に対して放射性物質を用いて極微量化学実験(単核錯体)を行い、計算化学に供することができるレベルにまで化学種の同定を含めて詳細にその元素固有の錯形成能力を調べる。その後、相対論効果を考慮したDirac方程式やDFTの計算を行い、同族元素の化学的性質の理解を深め、すでに得られている重元素の結果に対する考察を深める。その上で重元素の実験データに適用できる相対論的計算手法を確立することで、重元素の化学的性質を明らかにする。本成果は、重元素研究にとどまらず、一般的な相対論効果の検証・理解へ貢献する。
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研究成果の概要 |
重元素の化学的性質と相対論効果の影響を調べるために、同族元素の極微量状態での化学的性質、化学種の分析、さらに相対論計算を行った。さらに、実際に重元素の化学的挙動が報告されている反応系に対して、相対論計算を行う環境整備、条件探索を行った。 Noの比較対象元素である2族元素の化学では、水酸化物沈殿における多核錯体の形成を質量分析やXAFS分析によって観測することに成功した。さらに実際に新しいNoの化学実験にも成功した。Noまで含めて相対論計算を駆使することができ、実験データを非常によく再現することができた。さらに、重元素特有の化学結合を提案することができた。Rfに対する成果も得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
全ての元素の系統的理解には重元素の理解が必要である。ただし、短寿命の重元素の今すぐの社会的利用は難しい。しかし、重い元素の理解が進むことによる社会への還元は小さくない。例えば、第5、6周期元素(Ru, Pd, Ir, Ptなど)の有機錯体や合金、触媒の利用が増えており、新しい物性を持つ物質の普及が社会を大きく変えている。ウランなどの工業利用も実は多い。そのような“少し”重い元素においても相対論効果自体の影響は無視できない。元素の完全な理解に不可欠な相対論効果の理解が進めば、すぐに相対論効果の小さい少し重い元素のより完全な理解、そして物質社会への貢献にもつながっていく。
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