研究課題/領域番号 |
21H02127
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38040:生物有機化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
葛山 智久 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (30280952)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2021年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
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キーワード | 天然有機化合物 / 生合成 / 核酸系化合物 / 核酸 / 放線菌 / ヌクレオチド / 遺伝子 / 酵素 / 反応機構 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、天然には存在しない新規核酸系化合物を創出するための信頼性の高い生産基盤の確立を目的とする。本研究課題で生合成系を解明する核酸系天然化合物を対象に、その生合成酵素の精密機能解析を行い、得られた機能情報をもとに各種生合成酵素の理論的機能改変を行うことで新規な核酸系化合物を創出する。また、創出した核酸系化合物群の生物活性も評価する。本研究で得られた知見を他の核酸系天然化合物に応用することで、さらに研究の発展にも資する。また、新規核酸系化合物の創出は、有機合成化学者や生化学者にインパクトを与えるだけでなく、天然物化学研究分野のみならず生化学分野の発展にも貢献できる。
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研究成果の概要 |
核酸系化合物であるAngustmycin (AGM)の生合成遺伝子クラスターを同定し、生合成経路の全容を解明した。その過程で、新規脱水酵素であるAgm6が、2-fluoroadenosineに対しても活性を持つことを明らかにした。Agm6の立体構造を元にした考察により、基質認識を拡大させた変異酵素を作出し、2-fluoroadenosineへの活性が向上する変異としてT61AとT61S変異を発見した。特に、変異導入によって活性が向上した2-fluoroadenosineと2-chloroadenosineについて、目的のexo-glycal環構造を持つ新規核酸系化合物を単離することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
核酸系化合物は生体内で様々な役割を担う核酸誘導体のアナログとなりうることから、核酸系化合物の構造多様化は新規創薬のための有望な手段である。一方で、新規核酸系化合物の単離報告例は減少傾向にあり、新規核酸系化合物の発見は困難となってきている。本研究課題では、研究過程で解明した生合成系の理論的改変による新規核酸系化合物生産系の構築に取り組むことにより、exo-glycal構造を有する新規な核酸アナログ化合物を創出することに成功した。これを元にした化合物の合成の可能性を示すことで、アナログ耐性病源菌や物質生産株の開発に向けた、多様な新規化合物の開発可能性の提示できた点において意義がある。
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