研究課題/領域番号 |
21H02180
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鈴木 卓 北海道大学, 農学研究院, 教授 (30196836)
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研究分担者 |
春日 純 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (40451421)
実山 豊 北海道大学, 農学研究院, 講師 (90322841)
上野 敬司 酪農学園大学, 農食環境学群, 准教授 (90441964)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
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キーワード | リンゴ / みつ症果 / ソルビトール / スクロース / 安定同位体 / 質量分析 / マルチ / 針金リング / MALDI-TOF MS imaging / sucrose transporter / sorbitol dehydrogenase / 果実 / みつ症 / MALDI-TOF MS / 13C / 水分動態 |
研究開始時の研究の概要 |
リンゴのみつ症果は消費者が好む果実形質の一つだが、その発生原因は不明であり、品種間差および年時間差が顕著である。このため、みつ症果実の安定生産を図ることは、現状では難しい。リンゴのみつ症組織には糖アルコールのsorbitolが集積していることから、従来sorbitolの集積がみつ症組織発達の主要因と考えられてきた。研究代表者らは、Cryo-SEMでみつ症組織を観察したところ細胞間隙に水溶液が充満していることを確認した。そこで、果実内水分動態およびsorbitol代謝能の両面からみつ症果発生と連動した品種間比較を行い、その原因を明らかにして、栽培および育種技術へ応用しようと考えた。
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研究成果の概要 |
みつ症果発生品種の主枝基部に針金リング処理を行うと、着生する果実のみつ症発生程度は顕著に増大した。この場合、針金区の果肉組織(髄部および皮層部の両方)でソルビトール(Sor)含量が対照区より増加しており、Sorを含む樹液が果梗部を介し、果実へ過剰流入したことが考えられる。 13C-SorとMALDI-TOF MSIを用いた実験から、果実の皮層部に比べ髄部のショ糖(Suc)生合成活性が低いことを確認した。また、みつ組織発生時の’こうとく’果実皮層部でSDH活性が低く、みつ組織の拡大と関連する可能性がある。果肉組織のスクローストランスポーター(SUC3)活性は、みつ症発生品種の方が高かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リンゴのみつ症果は、日本国内やアジア圏の消費者に好まれ高級果実として流通する反面、貯蔵性を低下させる生理障害果という側面もあり、その発生機序解明および人為的制御法の開発が求められている。みつ症果の発生には品種間差が見られ、年次によっては発生しない場合もある。本研究では、みつ症果を発生しやすい品種の枝に針金リング処理を施すと果実のみつ面積比が増大し、確実にみつ症果が得られることを見出し、3か年を通して確認される再現性の高い現象であることを明らかにした。これは、みつ症果を安定的に生産する技術に応用できることから、リンゴ生産者および消費者に裨益するところが大きく、実用性が高い研究成果と言える。
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