研究課題/領域番号 |
21H02322
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪府立大学 (2021) |
研究代表者 |
渋谷 俊夫 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 教授 (50316014)
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研究分担者 |
遠藤 良輔 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 講師 (10409146)
松田 怜 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (20547228)
地子 智浩 一般財団法人電力中央研究所, グリッドイノベーション研究本部, 主任研究員 (60816479)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 12,480千円 (直接経費: 9,600千円、間接経費: 2,880千円)
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キーワード | 環境制御チャンバー / 通水コンダクタンス / ストレス応答 / ガス交換 / フィトクロム / 環境制御チャンバ |
研究開始時の研究の概要 |
グロースチャンバーで観察された植物のストレス影響がフィールドに当てはまらないことはよく知られている.本研究では,蛍光灯や白色LEDなどの遠赤色域を含まない照射光下では,太陽光のように遠赤色域を含む照射光下に比べて,葉内の通水コンダクタンスが高まることがストレス影響の差異をもたらすと考え,光環境とストレス要因が植物の生育に及ぼす複合影響を,植物の水利用戦略の視点から明らかにする.
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研究実績の概要 |
遠赤色光の少ない照射光下では,水ストレスに関する植物の環境影響が小さくなることが示唆されている.本研究では,遠赤色光の少ない照射光下において葉の構造が変化することで,葉内の通水コンダクタンスが高まることが,水ストレスを小さくすると仮説を立て,遠赤色光の割合が異なる照射光に順化した植物の葉内の通水コンダクタンスを調べた.キュウリ実生を, 遠赤色光の割合を3段階に設定した光照射下で第2本葉展開まで育成した.光源にはLEDパネルを使用し,青色光,緑色光,赤色光の割合を太陽光とほぼ同じの30%,35%,35%とした.遠赤色光の割合は,遠赤色光を付与しない試験区,遠赤色光の割合を太陽光と同様(赤:遠赤色光比1.2)に設定した試験区,それらの中間にした試験区の3段階とした.キュウリ実生の第1本葉の通水コンダクタンスを,減圧チャンバー法を用いて計測した.通水コンダクタンスは遠赤色光の割合が高くなるほど小さくなる傾向が見られた.葉の構造に関するいくつかのパラメータとの相関を調べた結果,葉脈密度は遠赤色光の割合が高くなるほど小さくなる傾向がみられ,葉の通水コンダクタンスと相関があることが示唆された.照射光中の遠赤色光が形態変化を通して葉内のCO2輸送特性に及ぼす影響を,光合成総合解析システムを用いて調べた結果,遠赤色光による葉の形態変化と葉内のCO2拡散コンダクタンスとの間には明確な傾向が示されず,遠赤色光と光合成特性についても既往研究と異なっていた.本研究では,既往研究よりも相対湿度が高い環境条件で植物を育成したことから,このことが遠赤色光と光合成特性との関係に影響を及ぼした可能性が考えられた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
葉の通水コンダクタンスと形態的特性の関係を調べた結果,葉脈密度が通水コンダクタンスと相関があることが示唆された.葉脈密度を画像解析によって評価する方法を確立できたことから,反復実験によって通水コンダクタンスを変化させる形態的特性を明らかにできると考えられる.研究手法も含めて,今後の研究の推進方策が整理できていることから,おおむね順調に進展していると評価する.
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今後の研究の推進方策 |
今年度に確立した計測手法を用いて,通水コンダクタンスに影響を及ぼす形態的特性とストレス応答との関係を明らかにする.具体的には,異なる光質・湿度環境に順化した葉をストレス環境に移し,ストレス付与前後のガス交換特性を評価する.葉のストレス応答と形態的特性との関係を調べることで,ストレス応答に及ぼす光質・湿度環境の影響を明らかにする.光質がCO2輸送特性に及ぼす影響については,類似の研究が最近発表されたことから,研究計画を修正し,湿度環境との複合影響を調べる方向で検討している.
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