研究課題/領域番号 |
21H02336
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
川原 学 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (70468700)
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研究分担者 |
柳川 洋二郎 北海道大学, 獣医学研究院, 准教授 (20609656)
唄 花子 北海道大学, 農学研究院, 助教 (60775443)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | 初期胚発生 / マウス / ウシ / ガラス化保存 / 細胞分化 / 胚盤胞期胚 / Hippo経路 / Nf2 / Yap1 / 栄養膜細胞 / 初期胚 / 個体発生 / 動物生産 |
研究開始時の研究の概要 |
胚盤胞期胚の胎子側および胎盤側(栄養外胚葉)への細胞分化機構を解明することは、生物学的にも動物生産の効率化のためにも不可欠である。しかし、最も解析が進んでいるマウス胚ですら、その全容は解析途上で、実験手段が限られるウシ胚では更に知見に乏しい。本研究では、ウシ胚盤胞期胚の栄養外胚葉細胞における分化維持遺伝子CDX2発現に必要なYAP1タンパク質の局在制御に及ぼす細胞膜/細胞骨格関連タンパク質NF2の役割をマウスおよびウシ胚を用いて明らかしつつ、得られた知見に基づいてウシガラス化胚の発生能力向上を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、マウスおよびウシにおけるTE細胞分化を決定づけるYAP1細胞内局在の制御に足場タンパク質NF2の局在が重要な役割を果たすことを示すものであり、ガラス化保存手順に定法として行われる高張液への浸漬がYAP1局在を変化させることを明らかにした。これらは、哺乳類胚の分化制御機構の一端を明らかする発生生物学的な意義とともに、ウシ胚の正常な発育に必須なTE細胞の遺伝子発現制御に重要なYAP1の細胞内局在の維持がガラス化処理において傷害を受ける可能性を示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞の極性に伴う細胞分化機構は古くから知られているものの、分子レベルでの理解は進んでいなかった。また正常に分化した初期胚の作製は、主要なウシの繁殖方法の一つである受精卵移植技術の根幹となる発生工学技術でもある。さらに、ウシ生産のために実質的に受精卵移植技術を活用していくためには受精卵の低温下での保存技術の進展が欠かせない。本研究で得られた知見をもとに、哺乳類胚の発生制御における新たな分子機構の解明が進むとともに、ウシ胚改良増殖に不可欠なガラス化保存技術の洗練化につながることが期待される。
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