研究課題/領域番号 |
21H02366
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
三浦 直樹 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 教授 (80508036)
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研究分担者 |
川原 幸一 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10381170)
福島 隆治 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10466922)
丸山 征郎 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任教授 (20082282)
大和田 勇人 東京理科大学, 理工学部経営工学科, 教授 (30203954)
中川 貴之 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40447363)
畑井 仁 岩手大学, 農学部, 特任教授 (40566535)
後藤 章暢 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70283885)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | AI / 犬 / 腫瘍 / non-coding RNA / micro vesicles |
研究開始時の研究の概要 |
獣医療と人医療で問題である腫瘍病態に対して,新しい診断・治療ターゲットを選出し,病態への関与の解明と,実臨床応用を行う.犬の腫瘍組織,樹立腫瘍細胞株,さらに腫瘍分泌エクソソームの網羅的遺伝子発現(トランスクリプトーム)データをmRNAとnon-coding small RNAに分けて,腫瘍の病態解明を行う.この新規診断・治療ターゲットの発見解析に人工知能(AI)手法を導入する.さらに,新規ターゲットの機能解析を細胞株で行い,同時に臨床マーカーとしての有用性を調査する.
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研究実績の概要 |
本申請課題では,獣医療と人医療で問題である腫瘍病態に対して,新しい診断・治療ターゲットを選出し,病態への関与の解明と,実臨床応用を行うことを目的としている.具体的には,3年間で次のようなことを計画している.犬の腫瘍組織,樹立腫瘍細胞株,さらに腫瘍分泌エクソソームの網羅的遺伝子発現(トランスクリプトーム)データをmRNAとnon-coding small RNAに分けて,腫瘍の病態解明を行う.同時にターゲットの発見解析に人工知能(AI)手法を導入する.さらに,新規ターゲットの機能解析を細胞株で行い,同時に臨床マーカーとしての有用性を調査する. 2年度は,初年度に継続して,次世代シーケンス(NGS)で特にトランスクリプトームと呼ばれる発現RNA分子に注目した解析RNA-Seqのデータのin silico解析を継続した.犬のメラノーマ,乳腺腫瘍は学術論文としてまとめた.特に犬の乳腺腫瘍ではマイクロRNAの網羅的発現変化が病理学的解析とは一致しないことを報告した,昨年度に継続して,乳腺腫瘍で特定のマイクロRNAの発現が著しく減少することを再確認し,犬のメラノーマでは,細胞外分泌小胞体であるエクソソームに含有されるマイクロRNAとその他のnon-coding RNAの発現変化を継続確認した.また,犬のメラノーマで変化することを報告したマイクロRNA2種でターゲットRNA分子を,培養細胞に遺伝子導入して培養細胞に与える影響を確認し,論文化している.同時に,本課題のもう一つの主要なテーマでもある人工知能(AI)解析によるターゲットの探索と選択では,現時点で10種類の腫瘍共通non-coding RNAを抽出している. また,新規に開始した海外共同研究者と血小板多血血漿中のnon-coding RNAに関して,解析法を確立し,変化が生じることを報告した.これらは今後の治療などへの応用性を含むものと考えられた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
犬の腫瘍におけるnon-coding RNAの網羅的発現解析(NGSによるRNA-Seq)の結果をPC上でin silico解析し,異なるRNA種(例えば(mRNA,マイクロRNA,その他non-coding RNAやlong non-coding RNAの断片物)に分け,各腫瘍における特異的発現変化を確認した.メラノーマでは,すでに特定のターゲットの生理活性(腫瘍抑制と腫瘍促進作用)を確認できた.同時に直接AI解析では,すべての癌種と正常組織の間に線を引けるターゲットを模索し,現時点で10の候補を選出している.これまでに確認されているRNA分子において,臨床サンプルでの診断能に関しても解析を開始している.
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今後の研究の推進方策 |
過去2年間で成功しているPCソフト上(in silico解析)での,犬腫瘍特異的non-coding RNA分子の探索を,より細かなRNA種に分類して継続する.同時に次世代シーケンス(NGS:RNA-Seq:トランスクリプトーム)データを利用した人工知能(AI)解析による抽出ターゲットとin silico解析との統合性と正当性を確認する.また,すでに収集を開始している実臨床症例から,臨床基礎データの蓄積を統計学的に解析する.このデータは蓄積,解析を繰り返しAIの結果も踏まえた統合解析としてまとめる予定ある. 腫瘍細胞株へのターゲット分子導入と,導入後,細胞からの分泌エクソソームの含有RNAの変化の解析について細胞種や培養条件を変化させて継続する.
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