研究課題/領域番号 |
21H02375
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高田 健介 北海道大学, ワクチン研究開発拠点, 特任准教授 (40570073)
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研究分担者 |
稲葉 睦 北海道大学, 獣医学研究院, 教授 (00183179)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | 免疫 / 生体防御 / 免疫記憶 / T細胞 / 核内受容体 / ワクチン |
研究開始時の研究の概要 |
感染に伴って活性化したリンパ球の一部は記憶リンパ球へと分化し、再感染防御を担う。免疫記憶の成立メカニズムには未だ謎が多く、とりわけ、記憶T細胞の分化機構を解明することは、細胞性免疫記憶を介した免疫療法の開発に不可欠である。申請者らは、T細胞における独自の網羅的遺伝子発現解析から、記憶T細胞に高いレベルで発現される核内受容体REV-ERBに着目した。本研究では、CD8+ T細胞の免疫応答および記憶形成と当該核内受容体の関連を解明し、分子標的薬を用いて免疫療法に応用することを目指す。本研究の成果は、免疫記憶の本質的解明を通じ、学術の進展と臨床応用の双方に寄与する。
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研究成果の概要 |
活性化リンパ球の一部は記憶リンパ球へと分化し、再感染防御を担う。記憶T細胞の分化制御機構を解明することは、細胞性免疫記憶を介した免疫療法の開発に不可欠である。本研究では、記憶T細胞に高いレベルで発現される核内受容体REV-ERBに着目し、CD8+ T細胞の記憶形成と当該核内受容体の関連を検討した。REV-ERBの活性化に伴いって特定の記憶T細胞亜集団の分化が促進されることを明らかにし、これに関わるT細胞内の責任分子候補を見出した。また、REV-ERB欠損T細胞を用いて、T細胞の感染免疫応答に果たすREV-ERBの関与を直接検討するための技術的基盤を整えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
免疫系は一度感染した病原体を記憶し、再感染に対して素早く強力に応答する(免疫記憶)。免疫記憶の本体は、抗原特異的に活性化した後、抗原排除後も長期にわたって体内で維持される記憶リンパ球であるが、その分化や維持を担う制御機構には未解明の部分が多い。本研究は、細胞内病原体や癌細胞の排除に中心的な役割を果たすCD8+ T細胞の記憶形成を制御する分子を探索し、転写制御因子としての機能をもつ核内受容体が関与する可能性を見出した。今後の研究の発展によって、学術的貢献と臨床応用が期待される。
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