研究課題/領域番号 |
21H02376
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42030:動物生命科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大野 円実 北海道大学, 人獣共通感染症国際共同研究所, 助教 (50794202)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | インフルエンザ / 宿主応答 / LOX-1 / 宿主因子 / 脂質代謝 / 血液凝固異常 / ウイルス感染症 / 生体応答 / エネルギー代謝障害 |
研究開始時の研究の概要 |
毎年冬季に流行する季節性インフルエンザは、小児と高齢者を中心に世界中で年間およそ50万人を死に至らしめている。ウイルス感染に対する生体応答の結果引き起こされるエネルギー代謝障害と血液凝固異常が重症化に関わる重要なファクターであると我々のこれまでの研究から示唆されている。本研究は、インフルエンザにおいてエネルギー代謝障害と血液凝固異常が引き起こされるメカニズムを解明し、これらをコントロールすることでインフルエンザ及びその他の感染症の重症化を防ぐ新たな治療方法の確立を目指すものである。
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研究成果の概要 |
マウスを用いてインフルエンザウイルス感染に対する宿主の生体応答を詳細に解析したところ、酸化LDLの受容体であるlectin-like oxidized LDL receptor-1 (LOX-1)は重症インフルエンザの際に起こる血液凝固異常及び免疫細胞の応答や損傷組織の修復の適切な制御に必要であることが明らかになった。また、感染に伴って増加すると考えられている酸化リン脂質はプログラム細胞死や貪食の促進を介して感染細胞の排除に貢献していると示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マウスを用いた実験から、宿主の脂質代謝や脂質クオリティの制御システムがインフルエンザの病原性を左右すると明らかになった。本研究で観察されたものと共通する血中脂質プロファイルの変化がすでに新型コロナウイルス感染症やデング熱ウイルス感染症患者で報告されている。ウイルス自体ではなく宿主に重篤な症状を引き起こす生体応答をコントロールすることで重症化を防ぐという考え方が近年広がりつつある。ここで示された脂質制御に関わる生体応答は広くウイルス感染症における治療標的となりうると期待される。
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