研究課題/領域番号 |
21H02412
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
村上 聡 東京工業大学, 生命理工学院, 教授 (30300966)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | 構造生物学 / 膜輸送体 / 多剤耐性 / X線結晶構造解析 / 膜輸送 / 薬剤耐性 / 外膜蛋白質 / 膜蛋白質 / 薬剤耐性化 |
研究開始時の研究の概要 |
グラム陰性細菌はその薬剤自然抵抗性により抗生物質や抗菌剤に対して耐性をしめし、院内感染などでしばしば問題となる。細胞膜と外膜と2枚の膜を持つことによる薬剤の透過性の悪さがその原因と古くは考えられていたが、そこに横たわる三者複合体形成型の膜輸送体による薬剤排出が真の薬剤耐性の責任蛋白質であることが分かった。我々はその構造と機能を本質的に理解するという基礎研究を通して、その知見をグラム陰性細菌による薬剤耐性化の克服に繋げたいと考えている。
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研究成果の概要 |
本研究の主要なターゲットである三者複合体形成型ABC輸送体であるLolCDEの機能解析に関して、光クロスリンク法を用いた解析により、基質の輸送に直接関与する機能残基を明らかにすることに成功した(共著)。これら残基を我々が明らかにしたMacBの結晶構造より求めたホモロジーモデル上にマッピングすることにより、細胞膜から引き抜かれた基質が輸送体のもつ基質結合ポケットをたどり輸送される経路を明らかにした。また、外膜チャネルTolCとアダプターMacAのホモログとで同じく三者複合体を形成し機能する別種の多剤排出トランスポーターの構造に基づく作動機構の一端を明らかにすることにも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
LolCDE系はグラム陰性細菌にとって生育に不可欠な蛋白質群であり、その阻害による抗菌剤開発など新たな作用機序をもつ抗菌剤開発へと繋がる可能性がある。その分子機構解明は近年社会問題となっている多剤耐性化(AMR)の対策へ繋がる知見となり、社会的な意義の高いものといえる。また、直接的に薬剤排出に関わる蛋白質群の構造機能解析に於ける成果も同様の理由により社会的注目が大きい。 新たに認知されたVII型ABC輸送体であるLolCDEやMacBの構造機能解析において我々は世界のトップランナーである。それ故、輸送体関連の教科書などへの執筆依頼も複数受けていることを研究成果として付記しておきたい。
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