研究課題/領域番号 |
21H02482
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
今本 尚子 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 主任研究員 (20202145)
|
研究分担者 |
木村 誠 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専任研究員 (00290891)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
|
キーワード | 核-細胞質間輸送 / Importin beta / Importin alpha / 基質特異的認識 / 細胞機能 / タンパク質の熱感受性 / Importin α / Importin β / プロテオミクス / 核ー細胞質間輸送 / タンパク質の熱安定性 / 細胞機能制御 / evolutionary trace / 定量的プロテオミクス |
研究開始時の研究の概要 |
核-細胞質間輸送は、真核生物では遺伝子機能制御の要である。ヒト細胞で発現する全タンパク質のおよそ35%にも及ぶ膨大な分子種を、20を超える多彩な核-細胞質間輸送経路が分担して核と細胞質の間を輸送している。本研究では、一次構造上の相同性が高いにもかかわらず共通基質が少ないImportin-13とTransportin-SRに着目して、各運搬体が多様な基質をオーバーラップせずに認識する仕組みを調べる。また、老化などの細胞機能変化で発現変化するImportinβファミリーと物理化学的特性が違うImportinαファミリーに着目して、輸送経路の細胞内役割分担と細胞機能を制御する仕組みを明らかにする。
|
研究成果の概要 |
核-細胞質間輸送は真核生物遺伝子機能制御の要である。ヒト細胞には多数のImportinβファミリー輸送運搬体とアダプター分子Importinαが存在する。Importinβファミリー輸送運搬体の基質を調べていくと、運搬体には分担した役割があるとともに、一つの運搬体分子が共通配列を持たない多くの輸送基質を運ぶことがわかってきた。本研究では、運搬体と基質構造の多様性を理解するための解析を進めるとともに、細胞モデル系を用いて多様な輸送経路が存在する生理的意義、並びにImportinαサブファミリーの熱感受性を明らかにすることで、輸送経路の多様性が細胞機能を制御する仕組みを明にすることを目指した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
核と細胞質の隔たりは真核生物の基礎であり、その隔たりを制御するのが核膜孔を介した核-細胞質間輸送である。輸送の基本メカニズムが明らかにされる一方で、基本的な問題がわかっていない事項も少なくない。本研究では一つの運搬体分子が多くの基質分子を認識できる機序の解析をした。その結果、運搬体と基質の特異性決定は予想以上に複雑であることがわかり、タンパク質科学一般にも及ぶ新たな問題点を投じることになった。また、輸送システムによる分化発生や老化誘導の制御メカニズムが具体的に明らかになれば、基礎の生命科学に新たな視点が付与される。また、これまで意識されてこなかった創薬のシーズを将来的に提供できると期待する。
|