研究課題/領域番号 |
21H02488
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松野 健治 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (60318227)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | 左右非対称性 / エンハンサー / 消化管 / 転写制御 / ショウジョウバエ / 形態形成 / ゲノム / RNAシーケンス / 発生 / RNAseq / クロマチン / Hi-C |
研究開始時の研究の概要 |
からだの左右非対称性は動物発生の必須要素であるため、その機構の解明は発生学の重要課題であるが、無脊椎動物ではあまり理解が進んでいない。研究代表者は、ショウジョウバエの左右非対称性形成に必要な遺伝子、ゲノム領域を網羅的に探索し、narigomaと命名したエンハンサーが、消化管の左右極性の決定に不可欠であることを示した。そこで、本研究では、narigomaエンハンサーを中心とするゲノムネットワークを解析し、消化管の左右極性決定におけるその役割を明らかにする。本研究の成果によって、ゲノムネットワークが、如何にして内臓器官の左右極性決定のような複雑なプロセスを制御しているのかを理解できる。
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研究成果の概要 |
からだの左右非対称性は動物発生の必須要素であるため、その機構の解明は発生学の重要課題である。研究代表者は、ショウジョウバエnarigoma(nag)と命名した、タンパク質をコードする遺伝子を含まないゲノム領域が、胚の前半部消化管の左右極性の決定に不可欠であることを明らかにしていた。そこで、nag領域を中心とするゲノムネットワークを明らかにすることを目的として研究を実施した。その結果、nag領域を、3.5kbpのゲノム領域に絞り込むことに成功した。また、nag領域によって転写制御を受ける遺伝子の候補を同定した。さらに、nag領域がエンハンサー活性を有することを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトの器官において、左右非対称性が正常に形成されることは、その正常機能に必要であることから、左右非対称性の形成機構の解明は基礎医学的に重要である。したがって、本研究の成果は、左右非対称性異常に起因するヒト疾患の病態の理解につながる可能性がある。 エンハンサーの作用機序には不明な点が多く、特に、その機能を生体内で解析することは難しい。nagエンハンサーは、個体レベルでの明瞭な機能を指標として選別されており、生体内でゲノムネットワークを解析する上でうってつけの実験系である。本研究においてnagエンハンサーの作用機序の一端を解明できたことで、生命科学の進展に貢献できた。
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