研究課題/領域番号 |
21H02534
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45010:遺伝学関連
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
久原 篤 甲南大学, 理工学部, 教授 (00402412)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | C. elegans / 温度馴化 / 線虫 / 神経回路 / カルシウムイメージング / C.エレガンス / 低温耐性 / 低温馴化 / 組織回路 / 線虫C. elegans / 周回性神経回路 / 温度順化 / 脂肪 / 組織ネットワーク / 低温耐性・馴化 / 神経ペプチド / 中性脂肪酸 |
研究開始時の研究の概要 |
環境温度の変化は動物の生死に直結するため、温度の感覚や応答に関わる脳神経系と組織ネットワークの仕組みを解き明かすことは重要である。本研究では、シンプルな実験動物C. elegansの低温耐性・馴化をつかい、温度受容から神経回路、そして組織ネットワークに至る温度情報の処理システムを解析する。解析に使う組織ネットワークは、頭部の温度受容ニューロンが尻尾の介在ニューロンに接続し、それが再度、頭部のハブ介在ニューロンにフィードバックする全身を周回する神経回路と、その下流で機能する腸と精子や陰門筋を含む組織ネットワークである。本研究から動物の温度馴化の基本原理を解き明かす手がかりが得られると考えられる。
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研究成果の概要 |
温度馴化に関わる新規の組織の同定や、新たな関連分子の同定が課題であった。そこで、シンプルな実験動物C. elegansの温度馴化をつかい、神経とその下流の組織ネットワークに至る温度情報の処理システムを解析することを目的とした解析を行った。哺乳類において記憶を司る転写因子であるCREBが頭部の温度受容ニューロンASJと介在ニューロンRMGで機能することが示唆された。CREBの下流で頭部のニューロンから分泌される神経ペプチドが腸内脂肪の蓄積を変化させ個体の温度馴化を変化させることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
C. elegansが環境温度の変化に対応し、腸の脂質含量を調節する機構を持つことが明らかになった。冬眠する哺乳類の中には秋に脂肪を蓄えて冬に備えるものもおり、周囲の温度情報が与える生体の脂質の貯蔵と燃焼への影響は、C. elegansから高等動物まで保存されている可能性がある。よって、本研究で示した脳腸連関のモデルが高等動物における温度応答メカニズムを理解する上で有用なモデルとなる可能性が考えられる。(令和4年7月27日 甲南大学プレスリリースを改変引用)
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