研究課題/領域番号 |
21H02651
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
登美 斉俊 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 教授 (30334717)
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研究分担者 |
千葉 康司 横浜薬科大学, 薬学部, 教授 (30458864)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 胎盤 / トランスポーター / 生理学的薬物動態モデル |
研究開始時の研究の概要 |
胎児血中薬物濃度は妊婦への薬物治療において重要な指標であるが、ヒトで実測可能な薬物は限られる。本研究では、ヒト胎盤灌流およびラットでの薬物の胎児移行性評価から、ヒト胎児移行性を定量的に予測することを目指している。具体的には、定常状態での遊離形薬物濃度比を基準とし、実験手法の差や輸送体の種差を克服可能な胎盤透過の薬物動態モデルを構築することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究を通じ、これまでヒト胎盤閉鎖系灌流からの定常状態における母体血/胎児血薬物濃度比(F/M比)予測精度が低かった低膜透過性薬物について、構築した胎盤透過薬物動態モデルを併用することで定常状態F/M比の推定が可能となることを明らかにした。また、ラットにおけるF/M比がヒトに比べて低い傾向にある一因はタンパク結合率の種差であり、unbound F/M比を指標とすることで克服できることを突き止めた。また、MATE1のラット胎盤特異的な発現や、胎盤MDR1のげっ歯類特異的な局在が、それぞれの基質薬物の胎児移行性種差の一因となっていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で構築した胎盤透過薬物動態モデルを活用することで、信頼性の高いヒトF/M比を、より効率的に収集することが可能となった。また、実験動物で得られた薬物の発生毒性や胎児移行性からヒトでの影響を定量的に検討する上で、非結合形薬物濃度を基準とし、種差のある胎盤トランスポーターに対する基質認識性への配慮が重要であることを明らかとした。これら成果は、薬物の胎児移行性情報をより信頼度の高い形で得ることを可能とするものであり、妊婦における安全かつ有効な薬物治療を拡大していく上で意義は大きい。
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