研究課題/領域番号 |
21H02723
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49040:寄生虫学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野崎 智義 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (60198588)
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研究分担者 |
渡邊 菜月 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 客員研究員 (00883323)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 脂質 / 輸送 / 感染症 / 寄生虫 / 病原機構 |
研究開始時の研究の概要 |
真核生物においてフォスファチジルイノシトールリン酸(PIPs)の種類・量・局在が時空間的に制御されることは高次機能において必須である。本研究では脂質、特にシグナル伝達、細胞骨格、小胞輸送、遺伝子発現など多くの必須の細胞機能の制御に不可欠な役割を果たすPIPsの細胞内輸送を担う脂質輸送タンパク質(LTP)を基軸として、赤痢アメーバの病原機構におけるLTPの役割と制御機構を理解することを目指す。特にゲノム中で最も多様なアイソタイプとして存在するSTARTドメインを含むタンパク質のうち、先行研究により重要性の示された3種類のLTPを中心として、赤痢アメーバの病原機構における脂質輸送分子基盤を確立する。
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研究成果の概要 |
LTP15は赤痢アメーバのSTARTドメイン含有タンパク質で核移行ドメインをもち、転写・クロマチン制御、核ー細胞質輸送を担うと予想された。LTP4のタグ融合タンパク質を用いてLTP15が通常核に存在し、栄養飢餓条件下で細胞質へと移行することを示した。LTP15は液性因子の取り込み後の放出、システインプロテアーゼの分泌、病原機構へ関与した。LTP15は酸化ストレスへの応答に関与し、核内でのPIPsの維持に重要であった。本研究成果はLTPsの核内のリン脂質の代謝と病原性への関与を原虫で初めて示し、LTPsの機能・進化の普遍性の理解と赤痢アメーバの治療・予防への応用を可能とする基盤的な成果となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果はLTPsの核内のリン脂質の代謝と病原性への関与を原虫で初めて示した点で極めて新規性が高く、更に、真核生物におけるLTPsの多様性と機能の進化と普遍性の理解の助けとなった。同時に、本研究成果は赤痢アメーバの治療・予防への応用を可能とする基盤的な成果となった。本研究成果は他の寄生虫症やヒトの疾患の病態や治療法の理解に役立つ情報を提供したということができる。
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