研究課題/領域番号 |
21H02731
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
富澤 一仁 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (40274287)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | RNA修飾 / 細菌感染 / 修飾ヌクレオシド / tRNA / ヌクレオシド / 細菌 / 修飾核酸 / 形質転換 / 感染 |
研究開始時の研究の概要 |
RNA修飾の特徴は、100種類以上の多彩な化学修飾が存在し、RNA機能を制御していることである。我々は、RNAの代謝産物がアデノシンA3受容体の真のリガンドであることを明らかにした。我々は細菌が免疫細胞に貪食されると、従来報告されていない新規修飾ヌクレオシドが出現することを発見した。そこで、細菌は、ある環境下ではヌクレオシドを直接修飾するのではとの着想に至った。そこで本研究では、①. 高次構造を有さないヌクレオシドを修飾する酵素は実在するのか?その酵素は何か? ②. 細菌における新規ヌクレオシドの修飾の意義は何か?という問いに答える研究を実施する。
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研究成果の概要 |
本研究では、細菌感染時に尿もしくは血清中に特異的に増加する修飾ヌクレオシドについて網羅的解析を行った。すべての菌種から、細菌特異的修飾ヌクレオシドの1種であるm2Aが検出された。m2A量についてグラム陰性菌とグラム陽性菌で比較すると、グラム陰性菌の培地中のm2A量が多かった。細菌感染者、ウイルス感染者ならびに健常人の尿中のm2A量について、比較検討した。細菌感染者の尿中のm2A量は、健常人ならびにウイルス感染者と比較して有意に多かった。以上の結果から、m2Aは感染の有無を診断するマーカーとして有用であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、細菌感染時に血中や尿中で特異的に増える修飾ヌクレオシド(RNAの分解産物)を同定した。同定された修飾ヌクレオシドは生理活性を有していなかったが、起炎菌の数と相関が認められた。従来、細菌感染時の細菌を同定するためには、細菌培養やPCRにより同定していたが、同定までに24時間以上かかっていた。本研究成果から、血清中もしくは尿中の修飾ヌクレオシドが、従来の細菌感染マーカーとは異なり、感染している細菌数を反映した新しい細菌感染マーカーになることが示唆された。
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