研究課題/領域番号 |
21H02732
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
Toma Claudia 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40325832)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | レプトスピラ / 尿細管上皮細胞 / 細胞間接着装置 / 上皮細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
レプトスピラ症は、病原性レプトスピラによって引き起こされる人獣共通感染症である。レプトスピラ症は急性熱性疾患であり、軽症型から黄疸・出血症状・多臓器不全などを伴う重症型まで臨床症状には多様性がある。レプトスピラ症の抗菌薬による早期治療は効果的であるが、抗菌薬使用による副作用が問題となっており、新たな治療法の開発が求められている。 細胞間接着装置は、上皮細胞シートのバリアとして働き、臓器機能の維持にも重要である。本研究では、細胞間接着装置の破壊がどのような分子を介して行われているかを明らかにし、レプトスピラの標的臓器への移行を遮断するための新たな治療法への分子基盤構築を目指す。
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研究成果の概要 |
レプトスピラは皮膚や粘膜などから血流に入り、上皮バリアを破綻することによって全身へと広がる。上皮バリアの維持には、細胞間接着装置の正常な働きと細胞構造を保持するF-アクチン骨格が重要である。我々は、レプトスピラは細胞間接着装置の膜蛋白質であるE-cadherinの細胞内取り込みとF-アクチン骨格の変形を誘導することを明らかにしてきた。 本研究では、レプトスピラで感染した上皮細胞では、E-cadherinの細胞内裏打ちタンパク質(p0071とp120カテニンが減少することを明らかにした。さらに、その過程では宿主細胞のタンパク質分解系であるプロテアソームとリソソームが利用されることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究でレプトスピラは宿主真核細胞のタンパク質分解系をハイジャックすることによって、p0071とp120-カテニンを分解し、細胞間接着装置が破壊されることを明らかにした。本研究で得られた新規知見は、レプトスピラ症の病態形成メカニズムの理解に寄与し、本感染症を制御するためには、複数の経路が抑制可能であることがわかった。 レプトスピラがどのように宿主真核細胞のタンパク質分解系を利用するかを明らかになることによって、必須細菌因子や細胞内伝達経路を阻止し、レプトスピラ症を制御できる新たな治療法の開発が期待できる。
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