研究課題/領域番号 |
21H02798
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分51010:基盤脳科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山口 玲欧奈 京都大学, 高等研究院, 特定助教 (50812640)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,730千円 (直接経費: 12,100千円、間接経費: 3,630千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 12,090千円 (直接経費: 9,300千円、間接経費: 2,790千円)
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キーワード | 脊髄損傷 / サル / 機能回復 / ウイルスベクター / DREADD |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ヒトに近い脳構造を持つマカクザルを対象とし、広範囲の脳領域に対して経路選択的かつ可逆的に操作ができる技術開発に取り組む。これを実現するために、広範囲にウイルスベクターを注入できるCED、特定の経路を選択できるウイルスベクター2重感染法、可逆的に経路を操作できるDREADDsという手法を組み合わせる。また、注入部位に脳波皮質電極を留置し、回路操作による脳活動の変化を明らかにする。さらに、当該回路操作技術をサル脊髄損傷モデルに適用し、脊髄損傷モデルからの機能回復に関わる脳機能を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、広範囲にウイルスベクターを注入できるCED、特定の経路を選択できるウイルスベクター2重感染法、可逆的に経路を操作できるDREADDsという手法を組み合わせ、広範な神経回路を可逆的に操作できる技術を開発した。さらに当該回路操作技術をサル脊髄損傷モデルに適用した。脊髄損傷からの機能回復過程において、回復早期に運動前野の半球間経路を遮断すると、到達把持課題の成功率が著しく低下した。これらの結果から半球間経路が機能回復に貢献することを直接的に証明することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
選択的回路操作の実験は、齧歯類を対象としたモデル動物で盛んに行われているが、霊長類を対象としたウイルスベクター注入実験の成功例は少ない。本研究課題で開発された技術は広汎な神経回路の操作を可能にするものであり、操作中の脳活動も記録することが可能である。このような技術は行動に影響を与える新規のネットワークの抽出に貢献でき、さらに病態モデルに応用することで、リハビリテーションの効果の評価や促進、新たな治療の創出への応用につながることも期待される。
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