研究課題/領域番号 |
21H02907
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
稲垣 豊 東海大学, 医学部, 特任教授 (80193548)
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研究分担者 |
柳川 享世 東海大学, 医学部, 助教 (10760291)
住吉 秀明 東海大学, 医学部, 准教授 (60343357)
紙谷 聡英 東海大学, 医学部, 准教授 (30321904)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2021年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 肝線維症 / 肝星細胞 / 脱活性化 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の肝線維症に対する産学の関心の高まりにもかかわらず、その根本的な治療法は未だに存在しない。我々は、肝線維化の進展において中心的役割を果たす活性型星細胞を静止期状態に「脱活性化」する新たな因子としてTcf21を同定した。このTcf21を線維肝組織中の活性型星細胞に過剰発現させると、線維化改善のみならず肝細胞傷害の軽減や小葉構造の修復が認められた。 本研究課題では、Tcf21の発現誘導に基づく線維肝組織の修復機構について検討を行い、難治性の肝線維症に対する新たな治療法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
肝線維症は、活性化した星細胞がコラーゲンをはじめとするマトリックス成分を過剰に産生することで進展する。一方で、線維化刺激を中断すると、活性型星細胞の約半数が静止期に近い状態に戻る(脱活性化)ことが実験的に証明された。本研究代表者らは最近、コラーゲン産生性の活性型星細胞を脱活性化させる因子として、Tcf21を同定した。 本研究課題では、活性型星細胞の脱活性化が線維肝の修復と再生を促進する機序について、脱活性化星細胞と周囲の肝臓構成細胞のクロストークの観点から解明した。その目的のために、脱活性化星細胞のトレーシング用マウスを樹立するとともに、Tcf21の抗線維化作用を模倣する低分子化合物を同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの肝線維化研究では、星細胞の活性化や筋線維芽細胞への形質転換の阻害、あるいは活性型星細胞によるコラーゲン産生の抑制に基づく肝線維症治療が試みられてきた。本研究は、星細胞の脱活性化を基盤とする組織修復という、従来とは異なる視点に立って肝線維化の改善と再生促進の病態連繋に関する新たな学問の構築と、新たな肝線維症治療への応用を目指すものである。
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