研究課題/領域番号 |
21H02943
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
新熊 悟 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (00613788)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 表皮水疱症 / 遺伝子編集 / 復帰変異モザイク / 再生医療 / 相同組換え / 細胞競合 |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝子治療は遺伝性皮膚疾患の根治的治療の有望な選択肢である。しかし、遺伝子治療した細胞の全身移植は、安全面やコスト面から実現困難である。もし遺伝子治療した細胞が周囲に対し優位に増殖した場合、最小限の移植で広範囲にその効果を波及することが可能になる。近年、様々な遺伝性皮膚疾患で後天的に一部の皮膚の遺伝子が正常化することが明らかになった。興味深いことに表皮水疱症の正常化部分の面積は他の疾患に比し極めて大きく、増殖優位性を獲得していることが示唆される。そこで、本研究では、遺伝子編集技術により正常化した皮膚を有する表皮水疱症モデルマウスを作製し、表皮細胞の増殖優位性の獲得機序を解明する。
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研究成果の概要 |
表皮水疱症の復帰変異モザイクの面積は他の疾患に比し極めて大きく、表皮水疱症の復帰変異モザイクは増殖優位性を獲得していることが示唆される。そこで、本研究では、表皮細胞の増殖優位性を獲得する機序を解明するため、遺伝子編集技術を応用した復帰変異モザイクを有する表皮水疱症モデルマウスを世界で初めて作製した。 実際には、Col17a1遺伝子に複合ヘテロ接合性に欠失変異をもった接合部型表皮水疱症モデルマウスを作製し、さらに、これらの変異部の間に存在する部位を特異的に切断するCRISPR/Cas9システムを皮内投与したところ、復帰変異モザイクの誘導を行うことに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
遺伝性皮膚疾患の根治的治療の有望な選択肢である遺伝子治療は、全身への遺伝子治療した細胞の移植が必要であり、安全面やコスト面から実現困難である。もし遺伝子治療した細胞が周囲に対して優位に増殖すれば、最小限の移植で広範囲に効果を波及させることが可能になる。表皮水疱症の復帰変異モザイクの面積は他の疾患に比べて大きく、増殖優位性を獲得していることが示唆されている。本研究では、表皮細胞の増殖優位性を解明するため、復帰変異モザイクを有する表皮水疱症モデルマウスを作製した。この成果は、復帰変異モザイクの研究に留まらず、遺伝子・再生治療戦略のブレークスルーにつながる可能性がある。
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