研究課題
基盤研究(B)
主要なアレルゲンであるダニやカビ、植物などのプロテアーゼが上皮細胞に作用すると、細胞死が誘導される。死んだ細胞から放出される炎症誘導因子IL-33が喘息などのアレルギー疾患の発症に関わることを明らかにしてきた。組織にはIL-33に応答する樹状細胞と応答しない樹状細胞がおり、IL-33に応答する樹状細胞がアレルギーの誘導に関わっている可能性が示唆された。そこで、IL-33に応答する樹状細胞がどのような仕組みでアレルギーを誘導するのかを明らかにすることを目的とする。
プロテアーゼアレルゲン(papain)によって気道上皮細胞から誘導されたIL-33は、肺内のCD11c陽性細胞からIL-17Bを誘導することが明らかになった。IL-17BとIL-25の共通な受容体であるIL-17RBを発現する細胞は、肺内ではILC2、樹状細胞及びマクロファージであった。IL-25はILC2を活性化するのに対し、IL-17BはILC2を活性化しない。一方、IL-17BはIL-17RBを発現する樹状細胞を活性化することで、papainによる気道炎症に関わることが明らかになった。
本研究では、新たに、IL-33によって誘導されるIL-17Bの生理作用及び喘息様気道炎症の病態形成との関わりを明確にすることにより、喘息の炎症誘導に関わるサイトカインネットワーク機構の解明といった基礎免疫学の分野での学術的な意義に加え、喘息の発症のメカニズムの全容解明に貢献できることが期待される。また、その成果は、抗体医薬等の治療薬の開発といったアレルギーの予防・治療法の開発の基盤提供につながると期待される。
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