研究課題/領域番号 |
21H03011
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
藤元 治朗 兵庫医科大学, 医学部, 特別招聘教授 (90199373)
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研究分担者 |
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 学長特命教員(特別顧問) (20191190)
鈴木 修 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (30644778)
筒井 ひろ子 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40236914)
小川 和彦 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40253984)
林 和彦 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (70718981)
波多野 悦朗 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (80359801)
里井 壯平 関西医科大学, 医学部, 教授 (90340695)
江口 英利 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90542118)
皆巳 和賢 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90634593)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | 膵癌 / 重粒子線治療 / 免疫 / 細胞死 / オートファジー / 重粒子線照射 / 膵臓癌 / 免疫応答 / 外科治療 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではCIRTによる癌細胞の細胞死および免疫応答の分子機構の解明を目指し、より効果的な集学的治療法の可能性を探索する。また膵癌患者に対するCIRT症例の手術標本およびリキッドバイオプシー標本(血液循環癌細胞・免疫細胞)の病理・分子生物学的研究を実施、基礎研究成果の有効性を検証、CIRT臨床における事実を確認、手術を軸とした集学的治療への貢献を模索する。
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研究実績の概要 |
2021-2022年度の研究で、膵癌細胞株にCIRTを実施、DNA切断により細胞死が導入されるが、同時に癌細胞内でオートファジー機構(以下 AP: autophagy)が働き、膵癌細胞にとってはサバイバルシグナルとなり、CIRTによる細胞死を抑制していることが判明した。そこでAPの阻害剤であるhydoroxychloroquine(以下 HCQ)をCIRTと併用すると著明に細胞死が増加、マウスモデルでも膵癌が抑制されることが判明した(投稿中)。また、in VivoでなぜCIRT+HCQで著明な効果が得られたのか免疫系の観点より研究予定である。具体的にはin Vivoで治療した腫瘍部を摘出、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のFACSによる成分の解析、サイトカインアッセイを実施、Treg、CD8、NK細胞の分布をCD45、CD3、CD4、CD25、NK1.1、FoxP3の抗体を用いて検索中した。注目すべき点は、Pan-02細胞(マウスシンゲニック膵癌細胞)のisograft modelにおいてCD161+、Treg細胞浸潤がCIRT、HCQ+CIRTで有意に減少しており、CIRTによる抗腫瘍免疫の獲得の可能性が示されている。また免疫染色でも現在CD161抗体を用いて検索中である。PI3K inhibitorについてTregの減少傾向もFACS解析で確認している。 もう一つの研究課題は、膵癌細胞死の分子機構を探索するうえで、近年急に開発が進みつつある「FLASH効果」(超高線量放射線照射)をCIRTで膵癌細胞に対し実施、その効果と細胞死の分子機構を探索する。CIRT-FLASHは瞬時に高線量の炭素イオン線を照射、「癌細胞には著明な細胞死を招くが、正常細胞には細胞死効果が少ない」とされているが、CIRTにおけるその現象の事実の有無、また分子機構は解明されていない。FLASHの詳細な照射条件などの設定が完了し、膵癌細胞に対して研究実施中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的の膵癌細胞に対するCIRTの研究も計画通り進み、現在論文を投稿中である。 またin Vivoの研究で免疫の成果が得られ、投稿準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度はこの結果より、in VivoでなぜCIRT+HCQで著明な効果が得られたのか免疫系の観点より研究予定である。具体的にはin Vivoで治療した腫瘍部を摘出、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)のFACSによる成分の解析、サイトカインアッセイを実施、Treg、CD8、NK細胞の分布をCD45、CD3、CD4、CD25、NK1.1、FoxP3の抗体を用いて検索する。これまでにCIRTにより膵癌細胞においてautophagy機構が働き、膵癌細胞にとってはsurvival signalとなり、CIRTの効果を減衰させていることが判明した。HCQ(autophagy阻害剤)によりCIRTの癌細胞殺傷能力は向上したが、さらに別のautophagyにいたるpasswayとしてPI3Kのシグナル伝達経路が報告されている。今後はHCQ+CIRTに加えてPI3K inhibitorの役割についても検討を加える。 もう一つの研究課題は、膵癌細胞死の分子機構を探索するうえで、近年急に開発が進みつつある「FLASH効果」(超高線量放射線照射)をCIRTで膵癌細胞に対し実施、その効果と細胞死の分子機構を探索する。CIRT-FLASHは瞬時に高線量の炭素イオン線を照射、「癌細胞には著明な細胞死を招くが、正常細胞には細胞死効果が少ない」とされているが、CIRTにおけるその現象の事実の有無、また分子機構は解明されていない。本年度はCIRT-FLASHを実施、autophagy機構も含めて探索予定とする。
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