研究課題/領域番号 |
21H03077
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
京 哲 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (50272969)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
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キーワード | 正常子宮内膜 / 癌遺伝子 / KRAS / PIK3CA / 癌遺伝子変異 / 幹細胞 / 子宮内膜 / 癌化 / 再生 / 遺伝子変異 / がん遺伝子変異 / ドライバー |
研究開始時の研究の概要 |
正常子宮内膜上皮細胞には癌関連遺伝子の体細胞変異が高頻度に認められるが、変異の生物学的意義は不明である。その意義を解明するため本研究を立案した。申請者はこれまでに個々の腺管が幹細胞を起点にモノクローナル増殖をすることを発見してきたが、本研究では変異が幹細胞にあるのか否かを明らかにする。また3次元培養を用い、変異が内膜機能や構造に与える影響を確かめる。次いで、単離した変異型、野生型腺管を不死化して癌化誘導を試み、変異の癌化への寄与を検証する。さらには変異検出が内膜癌発症の予測因子として応用できるかの検証も試みる。
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研究成果の概要 |
正常子宮内膜に存在する癌遺伝子変異の生物学的な意義を明らかにするために、良性疾患で摘出した子宮から正常子宮内膜を採取し、個々の単一腺管を単離し、単一腺管をシーケンスにより癌遺伝子の変異を解析した。また単一腺管をspheroid培養に供し、径2mm以上に成育したspheroidを回収して癌遺伝子変異を解析した。腺管9.3%にPIK3CAまたはKRAS遺伝子変異を認めた。 33個のspheroidの解析では、22個に変異を認め、認められた遺伝子変異の全てはPIK3CAであった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
正常子宮内膜にも一定の頻度で癌遺伝子変異が入っていること、PIK3CAがspheroid形成に重要な役割を担っていることが明らかとなった。spheroidはstem-richな集団と考えられるため、正常内膜では、内膜stem cellへのPIK3CA遺伝子変異が入っている可能性が示唆され、閉経期までに渡り旺盛な再生増殖を示す内膜のbiologyや癌化過程の一翼を担っている能性がある。これらの結果は、臨床的には月経や着床という子宮内膜の生理的な異常や疾患との関連性を探求する研究に応用したり、変異と内膜癌化の関連性を探究することで、発がんリスクのスクリーニングに役立てる研究にも繋がる可能性がある。
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