研究課題
基盤研究(B)
歯の状態,口腔機能,歯科補綴治療とそれに伴う食品摂取の変化が,低栄養,生活習慣病の発症や認知機能,筋力や運動機能低下(サルコペニア・フレイルなど)などに与える影響を,自立した生活を送っていた70歳以上の約2600名を対象に,12年間の前向きコホート研究で明らかにする.
本研究では,大人数の地域在住高齢者を対象に,調査から得られた最大12年の縦断的データを用いて,口腔機能維持による健康寿命延伸との関連について検討することを目的とした.マルチレベル分析を用いた検討の結果,①ベースライン時の臼歯部咬合支持状態ならびにその減少は,6年後の咀嚼能率の悪化に影響すること,②高い咀嚼能率は,背景因子を調整したうえでも,心理的フレイルの発症を抑制すること,③歯数は肉類ならびに緑黄色野菜の摂取量に有意に影響し,それらと認知機能との間に縦断的な関連があることが示された.
本研究結果より,歯数や咀嚼能率といった口腔機能の維持は,高齢者の健康寿命の延伸に寄与することが示唆された.信頼性の高い客観的な機能検査に基づく大規模な長期コホート研究から得られたこれらの知見は,口腔機能が心身の健康に及ぼす影響について,質の高いエビデンスを提供するものである。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 3件)
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