研究課題/領域番号 |
21H03131
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
秋山 謙太郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (70423291)
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研究分担者 |
窪木 拓男 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (00225195)
大野 充昭 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (60613156)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | オートファジー / マクロファージ / 炎症性サイトカイン / 歯周病 / オートファジー正常化 / 歯槽骨破壊 / 間葉系幹細胞 / 老化 / インプラント周囲炎 |
研究開始時の研究の概要 |
歯周病やインプラント周囲炎による歯槽骨破壊は自己免疫疾患としての性質を呈しているが,詳細な破壊機序は解明されていない.我々はストラスブール大学のミュラー教授との共同研究により,自己免疫疾患におけるオートファジー異常を正常化させることで免疫トレランスを誘導する新規ペプチド(P140)を応用し,歯周病マウスの歯槽骨破壊抑制に成功した. これは,歯周病がオートファジー関連疾患である可能性を示唆している. 本研究では歯周病やインプラント周囲炎における歯槽骨破壊を,炎症局所のマクロファージ (Mφ)活性に注目し,オートファジー異常の観点から病態を解明する.
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研究実績の概要 |
本研究では,1)歯周病やインプラント周囲炎における歯槽骨 破壊メカニズムを,炎症局所に集積する抗原提示細胞であるマクロファージ (Mφ)の活性に注目し,オートファジー異常の観点から病態を解明するとともに,2)これら疾患に対する P140の効果的な臨床応用の方法について検討する. これまでのところ,歯周病誘導局所における炎症性マウロファージの集積と間葉系幹細胞の集積に宿主の年齢によって大きな違いがあること,ならびに,宿主の加齢に伴って,集積するマクロファージのオートファジー活性が亢進していることが明らかとなった.それと同時に,in vitroの共培養では,加齢に伴う間葉系幹細胞の機能低下が,マクロファージのオートファジー活性亢進を抑制できないことが明らかとなった. 現在,これらの結果をもとに,P140投与によるオートファジー正常化と,in vitroでの遺伝子導入実験を遂行している段階である.結果がまとまり次第,国内外での学会発表ならびに英語論文発表を予定している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在,オートファジー活性の亢進が歯周病誘導に大きく関与していることはつかむことができたものの,顎骨由来のマクロファージの単離や,オートファジー活性の測定に時間を要した. 計画に沿って進行はしているものの,予定よりはやや遅れているのが現状である. 今後は,オートファジー正常化による破骨細胞形成抑制メカニズムの検討をin votroにて行っていく.
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今後の研究の推進方策 |
①P140ペプチド投与によるオートファジー正常化効果を確認する. 1) これまでの研究結果で明らかとなった歯槽骨破壊の程度とMφのオートファジー活性が,P140投与に よってどのように変化するのか,マイクロCTならびに組織学的解析にて検討する. 2) また,ATG関連遺伝子の発現がP140投与によってどのように変化 するかリアルタイムRT-PCRなどの分子生物学的手法をもって検討する. ②オートファジーによる炎症性サイトカイン産生経路を特定する. 1) 上記実験でオートファジー関連遺伝子の発現の変動を確認し,変動のあっ た候補遺伝子を,RAW264.7 Mφ細胞株にウイルスベクターを用いて遺伝子導入もしく はsiRNAを用いて阻害し,in vitro にて炎症性サイトカイン(IL-1b, TNF-a)の遺伝子発 現(リアルタイムRT-PCR),や産生された炎症性サイトカインレベルをELISA法などを用 いて確認する.さらには,免疫トレランスに重要な役割を果たすTregsの誘導に必要な TGF-bの産生・分泌の変化についても確認する. 2) 上記1)方法で培養したMφ細胞株のうち炎症性サイトカインの産生が多い条件で,マ ウス骨髄由来単球と共培養し,破骨細胞形成効果について検討する.
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