研究課題/領域番号 |
21H03215
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
湯川 修弘 宮崎大学, 医学部, 教授 (30240154)
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研究分担者 |
柿崎 英二 宮崎大学, 医学部, 准教授 (70284833)
新川 慶明 宮崎大学, 医学部, 助教 (40625836)
園田 愛 宮崎大学, 医学部, 助教 (10762122)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 法医学 / 死因究明 / 溺死の診断 / 珪藻 / 水棲細菌 / 壊機法 / 分子生物学的手法 / LAMP法 / プランクトン検査 / 珪藻検査 |
研究開始時の研究の概要 |
様々な状況で発見されるご遺体の死因を正しく特定することは,法医学に課せられた責務である。特に身元不明で発見された場合、得られる情報は極端に減り診断は難しくなる。私たちは水辺で発見されたご遺体の死因究明を目的として、水棲微生物(水棲細菌,珪藻)を指標とした溺死の新しい検査方法を検討してきた。約20年間,様々なアプローチと試行錯誤を重ね計14報の論文を発表した。そして現在ようやく実務利用への最終的な形が見えてきた。本研究では,これまで検討を重ねてきた各種水棲微生物検査についてさらに改良を加えると共に、実務の現場に合わせた最適な活用法を提案しその実用性を明確に示したい。
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研究成果の概要 |
水に棲む微生物を指標として溺水を証明する試みは,1904年以来報告されてきた。その後,1950年代に入り肺に吸引された珪藻だけでなく,肺の血管を介して血中に侵入した珪藻を検出することこそが溺水の証明に最も重要であると提案された。しかし,1960年代に入るとこれに矛盾する報告も度々示され,現在もその議論は続いている。我々は主な原因としてフラスコの偽陽性検出が強く関係していると考えて,その根拠をこの研究で明らかにした。また従来の検査方法の簡易化・迅速化に加えて,珪藻検査を行っても充分な結果が得られない場合に,法医実務に合わせて最も少ない労力で効果的に活用できる新たな検査方法も提案した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
プランクトン検査は法医実務上,非常に重要な検査であり,溺れた際に川や海の水を肺に吸引した可能性を示唆する。しかし,検査に対する信頼性は,国や施設によって様々である。我々はその原因の1つを実験的に明らかにした。さらに肺以外の諸臓器から検出される珪藻の数は,従来言われているよりもずっと少ないことも報告した。また珪藻を含めてあらゆる微細藻類を分子生物学的に検出するための基盤的実験も継続して実施し一定の進展が得られた。さらに,水中の細菌を対象とした検査方法は,従来の検査の代替法あるいは補強する検査として実務レベルで効果的に活用できることを示した。このように溺死診断検査法のさらなる発展に貢献できた。
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