研究課題/領域番号 |
21H03407
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60040:計算機システム関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
渡邊 実 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (30325576)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2023年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | プログラマブルデバイス / FPGA / スクラビング / 光再構成型ゲートアレイ / ホログラムメモリ |
研究開始時の研究の概要 |
集積回路は放射線に対して極めて脆弱であるが、研究代表者は放射線に強い耐性を持つホログラムメモリと既存の集積回路とを組み合わせ、放射線により集積回路がダメージを受けたとしても使い続けることが可能な世界初の耐放射線光電子FPGAを実現した。しかし、この耐放射線光電子FPGAでは使用中に恒久故障が生じることから、リアルタイムシステムを運用する場合には、放射線の入射により引き起こされる一時的なソフトエラーに加えて、恒久故障からも即座に修復できる必要がある。本研究ではソフトエラー対策としてよく使用されるスクラビング手法に恒久故障対策も盛り込んだ世界初のマルチコンテキストスクラビングの実証試験に取り組む。
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研究実績の概要 |
世界初となる順序回路のマルチコンテキストスクラビングの実証試験を実施した。スクラビング試験向けに4つのコンテキストを持つ光再構成型ゲートアレイのプロトタイプシステムを開発した。このプロトタイプシステムは4つの半導体レーザ、4つの記憶領域を持つホログラフィックメモリ、光再構成型ゲートアレイVLSIから構成される。ホログラフィックメモリには4つのコンテキストが記録され、それらがプログラマブルゲートアレイに対して動的に実装される。この光を用いた構成の周期は1マイクロ秒以下であり、FPGAの数百ミリ秒のシリアル構成とは比較にならない高速動的再構成が可能になる。この高速再構成の機能をスクラビングに適用すると非常に高いソフトエラー耐性が実現できる。加えて、マルチコンテキストを適用するマルチコンテキストスクラビングでは恒久故障からも同様に、システムを停止させること無く復旧させることができる。この度の実装では1ビットのカウンターを実装し、マルチコンテキストスクラビングの実証試験を行った。結果、マルチコンテキストスクラビングにおいて、ソフトエラーが生じても、恒久故障が生じても、動作を中断させること無くシステムの動作が維持できることを試験的に実証した。 現在までに研究の核心的部分となる、世界初の順序回路のマルチコンテキストスクラビングの実証試験に成功している。今後は、Am241によるソフトエラー耐性試験、Co60によるトータルドーズ耐性試験を行い、総合的にマルチコンテキストスクラビングの有効性を評価していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初予定していた研究項目全てを達成した。
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今後の研究の推進方策 |
現在までに研究の核心的部分となる、世界初の順序回路のマルチコンテキストスクラビングの実証試験に成功している。今後は、Am241によるソフトエラー耐性試験、Co60によるトータルドーズ耐性試験を行い、総合的にマルチコンテキストスクラビングの有効性を評価していく。
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