研究課題/領域番号 |
21H03419
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60050:ソフトウェア関連
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
加藤 弘之 国立情報学研究所, アーキテクチャ科学研究系, 助教 (10321580)
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研究分担者 |
日高 宗一郎 法政大学, 情報科学部, 教授 (70321578)
石原 靖哲 南山大学, 理工学部, 教授 (00263434)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | データ相互運用問題 / ビュー更新問題 / 双方向変換 / データログ |
研究開始時の研究の概要 |
各ピアからの矛盾するデータを含む輸出入の枠組みを系統的に実現するするために,共有リポジトリと制御ビューの設計をco-spanによる関数合成として定義する.そのあとで,更新伝播の最適化に取り組む. 具体的には,共有リポジトリにおいては更新情報も含めた来歴情報を半環構造を維持しながら定義する.制御ビューについては仮想化により更新伝播の高速化を達成する.そのためには,状態の変化に基づくビュー更新を更新操作に基づくものに変更する.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、近年その有効性が示されているP2Pアプローチによる「データ相互運用問題」において、各ピアの自律性を維持しながら、更新を考慮したソフトウェア基盤技術を開発することである。更新を対象とすることで、複数ピアによる協調データ科学などの応用範囲が広がる一方で、(1)更新伝播による副作用と(2)互いに矛盾するデータの管理が問題となることが知られている。(1)の問題は「ビュー更新問題」に帰着できるので、研究代表者の最近の成果である「ビュー更新問題の解決法」を適用することで解決する。また(2)の問題に対しては「ビュー更新問題の解決法」の合成を用いて解決にあたる。 本年度の成果は、当初の研究計画に従い(1)更新伝播による副作用の問題について以下の取り組みを行なった。まず、これまでの成果である「ビュー更新問題の解決法」は、更新された結果の状態に基づいたものであったが、これをデータに対する更新操作に基づくものへと拡張を行なった。 具体的には、これまでの成果である、有効性が確認された「状態に基づく解決手法」は論理型言語Datalogで記述されているが、これを仕様としてそこから「更新操作に基づく」Datalog式への正しい導出手法を開発した。更に、データベースに対する更新操作はSQLを用いてなされるので、SQLのINSERT文, DELETE文, UPDATE文をdelta-Datalog式に正しく変換する手法を開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでの成果を踏まえ、SQLの更新文から変換されたdelta-Datalog式を、有効性が確認された更新操作に基づくDatalog式に展開することで、接続されたピアに対する更新操作を得ることができるアルゴリズムを開発する。 このとき、INSERT文とDELETE文については変換されたdelta-Datalog式をそのまま展開すれば良いが、UPDATE文は-Datalog式と+Datalog式を組合せて実現するため、-Datalog式を適用した後で+Datalog式を適用する際に正しい結果が得られる工夫が必要となる。特に、実行効率を考慮に入れた手法を開発する予定である。
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