研究課題/領域番号 |
21H03833
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
戸井田 力 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 上級主任研究員 (40611554)
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研究分担者 |
清水 勇気 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (30778064)
姜 貞勲 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (50423512)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | ナノ医薬 / 慢性炎症 / マクロファージ / 肝星細胞 / 線維症 / MASH (NASH) / MASLD (NAFLD) / メタボリックシンドローム / 脂肪細胞 / MASH / MASLD / 肥満 / ナノメディシン / 非アルコール性脂肪性肝炎 / 肝線維化 / 脂肪炎症 / 代謝性疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
ナノメディシンのサイズ・薬物タンパク質修飾量とマクロファージ表現型のスイッチング効率の関係、炎症性マクロファージ指向性の関係を評価し、スイッチング効率を最大限高めたNMを合成するとともに設計指針を提案する。非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)モデルマウスに対する治療効果を評価し有効性を明らかにする。肝臓の細胞・分子を包括的に評価し、ナノメディシンが誘導する肝微小環境の詳細と作用機序を提案する。以上を総括し、ナノメディシンの分子構造、マクロファージ表現型のスイッチングによる肝微小環境の細胞・分子の変化、そしてNASH治療の関係について整理する。
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研究成果の概要 |
メタボ疾患の肝臓の表現型であるMASHは「脂肪変性」、「炎症」、「線維化」を病理学的な特徴とし、肝硬変や肝細胞ガンに進行する疾患である。近年、世界的に急増しているが、研究開始当初、認可薬が存在しなかった。マクロファージは、MASHを正負に制御する免疫細胞であり、その表現型の制御によりMASHを治療できるか研究した。マクロファージに親和性を有するナノ医薬を合成し動物モデルでその有効性を検証した。体内で表現型を制御できること、それによりMASH病態が改善することを見出した。また、MASHの原因となる脂肪炎症・脂肪線維化に対しても有効であることが分かった。本ナノ医薬は、MASHの治療薬となりうる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MASHは急増している疾患であるが認可薬が無い。開発したナノ医薬が動物モデルにおいてMASH治療に有効である可能性を見出した。MASHの原因となる脂肪炎症・線維化の制御も可能であった。デザインを改良することで広範なメタボ疾患の治療に有効である可能性があるが、今後詳細な研究が必要であろう。マクロファージの表現型と線維化の関係は生物学・医学研究により明瞭になりつつある。しかし、その知見を活用した薬の研究は限定的であった。本研究では、マクロファージ表現型スイッチング技術を開発するとともに、表現型制御が線維症治療に有効であることを実証した。今後、より詳細な作用機序に関する研究が必要であろう。
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