研究課題/領域番号 |
21H04394
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分7:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
安田 行宏 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (10349524)
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研究分担者 |
安武 妙子 創価大学, 経済学部, 准教授 (00737314)
小西 大 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (20266555)
文 敏鳴 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (30792931)
顔 菊馨 国士舘大学, 経営学部, 助教 (30869780)
金 鉉玉 東京経済大学, 経営学部, 教授 (40547270)
柳瀬 典由 慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (50366168)
服部 正純 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (60768349)
白須 洋子 青山学院大学, 経済学部, 教授 (80508218)
齋藤 巡友 桃山学院大学, 経営学部, 准教授 (80803585)
藤谷 涼佑 東京経済大学, 経営学部, 准教授 (90880849)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
36,660千円 (直接経費: 28,200千円、間接経費: 8,460千円)
2023年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2022年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2021年度: 21,970千円 (直接経費: 16,900千円、間接経費: 5,070千円)
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キーワード | 上場効果 / 経済政策の不確実性(EPU) / ショートターミズム / ESG投資 / リスクマネジメント / 経済政策の不確実性 / リスクテイク / 投資決定 / 現金保有 / 資本構成 / ペイアウト政策 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、2000年代以降に積極的に行われてきた一連の「コーポレート・ガバナンス改革」を分析視角として、日本企業における財務特性に関する実証的知見の蓄積を行うことを目的とする。アフターコロナを見据えた成長戦略の重要性が増す中で、上場によるショートターミズム(短期志向)と長期的投資のトレードオフ問題、銀行・企業間関係の変容とその作用、経営者の保身行動(在任期間中は平穏に過ごしたいとするQuiet Life仮説)などの重要な学術的課題に対して、日本企業の検証による情報発信をすることが本研究の最終的な到達目標である。
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研究実績の概要 |
2022年度の実績としては、経済政策の不確実性(以下、EPU)が企業の財務的な意思決定にどのように影響を与えるかという分析に関して、EPUが投資と現金保有にどのような影響を与えるかについて検証した論文を英文査読誌に投稿したものが、コメントを受けて改訂中である。EPUに関してサーベイを含む日本企業の投資行動を掘り下げた研究が日本語の査読誌に掲載された。EPUのみならず経済不確実性一般に対する日本企業のリスクヘッジ行動としてのデリバティブ利用についての小論を発表した。なお、上場企業と非上場の公開企業の違いを利用した会計発生高に対するショートターミズムの影響については、分析の精緻化を行い投稿準備を継続中である。投資決定の研究を通じて、構造推定のアプローチについての知見を深めるべく分析を行い、一つの論文としてまとめ発表した。 ESG投資に関しては、ESG投資は日本の企業価値を高めるのか否かの観点からの論文を執筆し、学会・研究会発表等を経て英文査読誌に投稿した段階にある。資本構成に関しては日本企業間の類似性の観点から分析を行った論文は、英文査読誌のコメントを受けて改訂し再投稿した状況である。ペイアウト政策に関しては、議決権行使の影響の観点から分析を行った論文を一通り書き上げた段階にあり、2024年度に開催される予定の海外学会の発表に向けて投稿した。 プロジェクトメンバーによる株主優待に関する論文、負債のロールオーバーのリスク、がペイアウト政策に与える影響を検証した論文が英文査読誌に公表された。負債の満期構成と雇用に関する論文は日本語の査読誌に公表された。引き続き、プロジェクトメンバー各自のテーマに基づく分析については、雑誌論文や学会などで公表されるとともに、いくつかの論文は英文査読誌に投稿した段階にある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は、一定水準の準備ができた論文については、海外学会発表を行う予定であったが、コロナ禍後の本格再開までは至らず、それが計画したようには実現しなかった。これにより、学会等での報告とそのフィードバックを得る機会を想定したようには得られなかった。一方で、プロジェクトメンバーの中には、進めていた研究の一部の成果については学会等で発表することができた。2024年度の海外学会発表に向けて投稿している状況であるが、学会発表等を通じたフィードバックを十分に得られておらず、論文の改訂作業が全体的にやや遅れているという状況にあると判断した。一方で、分析自体は初年度の遅れを取り戻しつつあり、ワーキングペーパーの段階にある論文は複数準備ができている状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
EPUに関する論文などは査読付きの英文雑誌に再投稿を行っており、再度の改訂の必要性の有無に依存するものの受理・発表の最終段階である。ショートターミズムに関する論文は査読付きの英文雑誌に投稿しており、結果に基づき再度の改訂等を行う想定でいる。クロスカントリーデータを用いて、ゾンビ企業の観点から、投資などの決定要因に関して分析が一通り出そろった段階であり、論文としてまとめる予定である。また、以前から準備し改訂を繰り返していたM&A投資に関するクロスカントリーの分析の論文も英文査読誌に投稿予定である。ESG投資に関する研究では、引き続きデータの整備を行いながら、具体的なリサーチクエスチョンの絞り込みを行った結果、カーボンニュートラル宣言の影響や、銀行・企業間関係とESG投資の関連について分析の準備を進めている。 引き続き、務特性に関する各テーマについて分析を継続し、得られた知見に基づき論文として執筆する想定である。これらの論文については、学会・研究会等に積極的に申込み、報告を行う予定である。そこで得られたコメントを踏まえ改訂作業を行い、順次、日本語・英文査読雑誌への投稿を行って行く予定である。
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