研究課題/領域番号 |
21H04662
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分30:応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
菅原 康弘 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (40206404)
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研究分担者 |
李 艶君 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (50379137)
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研究期間 (年度) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
42,640千円 (直接経費: 32,800千円、間接経費: 9,840千円)
2023年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2022年度: 15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)
2021年度: 19,760千円 (直接経費: 15,200千円、間接経費: 4,560千円)
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キーワード | 光誘起力顕微鏡 / 近接場光学顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、力検出を用いた近接場光学顕微鏡(光誘起力顕微鏡)のさらなる超高感度化・超高分解能化を実現すると共に、その原子分解能観察の機構を解明する。具体的な課題としては、まず、光誘起力を原子分解能で観察するための最適条件を理論的・実験的に解明する。次に、励起状態・非励起状態における単一分子の光誘起分極パターンを原子分解能で観察し、その画像化機構を解明する。さらに、円偏光した光に対するキラル分子の誘起分極パターンを原子分解能で観察し、その画像化機構を解明する。
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研究成果の概要 |
銅フタロシアニン分子に対する光誘起分極パターンを高分解能に測定することに成功した。直線偏光入射光に対して、銅フタロシアニン分子の外側において光誘起力が増大した。また、キラリティーを高感度に測定するため、右回りの円偏光と左回りの円偏光が交互に入れ替わる光照射系を実現した。円偏光を変調した光で物質表面を照射し、カンチレバーの周波数シフトに現れる変調成分をロックインアンプで検出することにより、キラリティーを測定できるようにした。円偏光入射光に対しては、銅フタロシアニン分子の内側において光誘起力が増大した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光が誘起する分極には電子励起状態の情報が含まれ、光と物質との相互作用において中心的役割を持つ物理量である。しかし、これまで原子スケールでこれを直接観察した例はない。本研究では、励起状態・非励起状態における単一分子の光誘起分極パターンを原子分解能で観察し、その画像化機構を解明するという、これまで誰も成し得なかった究極の目標に挑戦した。したがって、本研究は、光と物質との相互作用について、これまでの固定概念の見直しを迫り、新たな現象や機能を探索・解明する研究と位置づけられる。
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